煙たい画面に愛しさが滲む。 映画『スモーク』レビューとイラスト

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映画『スモーク(デジタルリマスター版)』予告編

 

『スモーク』概要・あらすじ

概要

スモーク』(Smoke)は、1995年公開のアメリカ、日本、ドイツ合作映画。製作会社はミラマックスで、監督はウェイン・ワン。原作である『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』を書き下ろしたアメリカの作家、ポール・オースターは映画化に際し脚本も担当。主演はハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハート。第45回ベルリン国際映画祭審査員特別賞受賞作品。(wikipediaより)

あらすじ

アメリカを代表する作家ポール・オースターが書き下ろした原作を基に、男たちの中に隠された哀しいロマンティシズムを描いた都会の物語。14年間毎朝同じ時刻に店の前で写真を撮り続けている煙草屋の店長オーギー、彼の馴染みの客で突然の事故により出産まもない妻を失って以来ペンを持てずにいる作家のポール、彼が車に跳ねられそうになった所を助けた黒人少年ラシードの3人を軸に、ブルックリンのとある煙草屋に集まる男達女達の日常を、過去と現在を、嘘と本当を巧みに交差させながら進んでゆく。(allcinemaより)
 

『スモーク』感想

85点

 
こんちゃ!アサミヤです。
 
今回ご紹介するのは『スモーク』。
 

監督はウェイン・ワン。

 このお話は、解説するのがとっても難しい。
 
ハーヴェイ・カイテル演じるオーギーが開く煙草屋に、作家や父を探す少年などの人物が集い交わり織りなしていく物語が軸なんだけど、そのほとんどがアドリブなんだそうな。
だからすっごく自然に日常が切り取られていて、大きな起承転結があるわけでもないのに、感動させられる。
 
同じ空気感を醸し出すのがジム・ジャームシュ。
彼の新作『パターソン』でレビュー書きましたが、大きな事件が起こるわけでもないのに主人公の生きる日常に惹き込まれ、最後には愛しくてたまらない映画になっている、そんな反物語を描くのがとっても上手い。
 
ウェイン・ワン監督も本当にそうで、劇的なことも起こらないのにユーモラスに満ちていて、出てくる人物みんなが愛しくてたまらなくなる、そんな温かな映画をさらりと作っている。
 
 
 
出てくる人物たちは皆、嘘つきだ。
原稿を全て煙草にしてしまった話、神様に左手を奪われたという話・・・
 
煙草をふかしながら語るその”嘘”は決して馬鹿にするものでも、忌み嫌う嘘でもない。
 
どれもギュッと抱きしめてあげたくなる、温かな温度を持った嘘。
 
だから何度でもその”嘘”を聞きたくなる。
 
子供がおとぎ話を母に何度も何度もねだるみたいに。
 
 
私が一番好きな”嘘”は、オーギーが最後に語るクリスマスの話。
 
ある家に忍び込むと盲目の老婆がいて、オーギーを息子と勘違いしたままクリスマスを共に過ごすという話。
 
そんな嘘の物語を紡ぎ出す彼らの心が、とっても豊かで温かいんだなと思わせるお話の一つ。
 
 
是非、クリスマスシーズンに観てみてほしい。
一人でも、大切な人とでも。
 
言葉では説明できないような、説明する必要もないような、幸せな気持ちになれるはず。

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