映画『ハウス・ジャック・ビルト』レビューとイラスト※ネタバレなし

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『ハウス・ジャック・ビルト』予告編 6/14(金)公開

こんちゃ!アサミヤです。

今回ご紹介するのは6月14日公開、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『インフォマニアック』シリーズのラース・フォン・トリアー監督最新作『ハウス・ジャック・ビルト』

サイコキラーが12年の間に大量に殺人を犯し、自らの家を作り上げるまでの物語・・・という謎めいたお話なんですが、あの鬱三部作(『アンチクライスト』『メランコリア』『ニンフォマニアック』)を作り上げたラース・フォン・トリアー監督の作品ですからね、心して観ないとダメよとは思ってましたが、

こちらの心構えを優に超えて打撃を与える、めちゃめちゃやばい作品でした。

アメリカでは過激なシーンが修正されたバージョンで上映されましたが、なぜか日本では無修正版の18禁で上映されるという謎。
鑑賞するのにめちゃめちゃハードル上がりますやん。

カンヌ国際映画祭でも途中退出者続出という過激な内容なのですが、それでもなんでだろう、嫌いになれない、むしろもう一度観たい、いや観てはならない、いや、やっぱり観たい!
という葛藤が生まれる不思議な作品でした。

 

新作ということでネタバレなしで感想書いてますので、鑑賞前にどうぞご覧くださいませ。

一言これだけは言っておきますが、

鑑賞は自己責任でお願いします!

映画『ハウス・ジャック・ビルト』概要・あらすじ・キャスト

概要

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ニンフォマニアック」の鬼才ラース・フォン・トリアーが、理性と狂気をあわせ持つシリアルキラーの内なる葛藤と欲望を過激描写の連続で描いたサイコスリラー。
殺人鬼ジャックを「クラッシュ」のマット・ディロン、第1の被害者を「キル・ビル」のユマ・サーマン、謎の男バージを「ベルリン・天使の詩」のブルーノ・ガンツがそれぞれ演じる。カンヌ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門で上映された際はあまりの過激さに賛否両論を巻き起こし、アメリカでは修正版のみ正式上映が許可されるなど物議を醸した。日本では無修正完全ノーカット版をR18+指定で上映。(映画.com より)

あらすじ

1970年代、ワシントン州。建築家を夢見るハンサムな独身の技師ジャックは、ある出来事をきっかけに、アートを創作するかのように殺人を繰り返すように。そんな彼が「ジャックの家」を建てるまでの12年間の軌跡を、5つのエピソードを通して描き出す。(映画.com より)

キャスト

マット・ディロン:ジャック

建築家を志す技師。
12年間に60以上もの殺人を犯すサイコキラー&強迫性障害。

自らの存在を新聞社に送りつけ、「ミスター洗練」と呼ばれる。(まぁ自分でそう言い出したんですが)

「殺人は芸術だ」と豪語するように、様々な手法で人を殺める姿は狂気がにじむとともにどこが滑稽。

●ブルーノ・ガンツ:ウェルギ

ジャックの話を聞き、導く謎の声の主。

 

ユマ・サーマン:女性1

第一の被害者。
車のトラブルで立ち往生していたところをジャックに拾ってもらうも、「あなたは殺人鬼かもしれない」「いや、あなたはにはそんな勇気ないわ」なんてずっとしゃべりかける失礼な女性なので、ジャックがキレるシーンは痛快かも。

演じたのはユマ・サーマン。
老けたけど毒舌が似合う気の強そうな女性像は相変わらず。

●シオバン・ファロン:女性2

「警察です」と身分を偽って訪れたジャックに警戒心露わなおばさま。
「バッチがないと家には入れられない」とものすごく拒否していたのに、「実は私保険調査員でして、年金の増額にご興味ございませんか?」というジャックの言葉にすぐ招き入れてあっという間に被害者に。

●ソフィー・グローベール:女性3

ジャックと交際中の子連れ女性。
楽しいピクニックのはずが一転、ジャックに子供もろとも銃で狙われる恐怖の時間に突入。

●ライリー・キーオ:シンプル

ジャックといい仲の臆病者の美女。
シンプルという名前をひたすらバカにされ、結局残忍な手法で殺されるかいそうな女性。

演じたのは最近ノリにノッてるライリー・キーオ。
エルヴィス・プレスリーの孫。

今作では美しいOPAIを披露してくれていますが・・・。

映画『ハウス・ジャック・ビルト』感想

88点

過激なシーン続出なので、鑑賞にはご注意を・・・

鑑賞には自己責任を、と前述しましたが、念を押します。
絶対自己責任で観てね!
個人的にはめっちゃおすすめの作品だけど、だからって私は責任取りませんからね!

なんでそこまで言うかというと、R18であることが物語るように、過激なシーンが続出だから。

第一の犠牲者であるユマ・サーマン演じる女性1がジャッキで撲殺されるシーンは正直「あれっ、こんなもんかい?」とナメてましたけど、第二、第三と殺人を繰り返していくごとに描写が過激になるので覚悟してかかれ!

特に私がトラウマ級に脳裏について離れないシーンが、女性3が連れていた子供のとあるシーン。
殺害した後に○○して○○した姿が、もう見てられないレベルにエグい。

↓↓↓

途中退出者続出なのも頷けます。

でもね、最後まで観て欲しい。
この後、シンプルの○⚪︎○○を生きたまま○○するシーンとかも同じ女性として観てて耐えられなかったけど、今では最後まで観てよかったなと思ってます。

なぜそこまでおすすめするのかは、この後ご説明します。

これはサイコホラーじゃない、ゾッとするほどのコメディだ!

「ゾッとするほど、魅力的」

というキャッチコピーそのままに、ジャックの殺戮行為が残忍であればあるほど毛嫌いすると同時に惹きつけられてしまう今作。

「えっシリアルキラーのお話なのよね?それに惹きつけられるってちょっとどうかしてるわよね、あなた?」と思われているそこの奥様。

ええ、自分でもどうかしてると思います。
実際、『ハウス・ジャック・ビルト』を鑑賞した後数日間はちょっとしたうつ状態でしたもの。
何をしてても頭の中に「ラース・フォン・トリアー、ラース・フォン・トリアー、ラース・トン・フォリア・・・あっ」と呪文のように監督の名前が浮かんできては私の思考を止めるんだもの。
ジャックの薄ら笑いや衝撃的なシーンが蘇っては、手にじとっと汗が浮かぶんだもの。

そんなちょっとしたトラウマ体験をしたにも関わらず、時間が経てば経つほど自分の中に湧き上がってくるのが、強迫性障害であるジャックが執拗に犯行現場に戻っては証拠が残っていないか確認する姿や、通り過ぎた女性を引き返してまでまるでドミノのように車で轢き殺すシーンの滑稽さ・・・。

そうか、あれはコメディだったんだ!と気付いた時に、『ハウス・ジャック・ビルト』という作品の妙に心掴まれて、私はラース・フォン・トリアー信者になっていました。

 

今年観た映画の『サスペリア』もラスト血みどろのなかなかエグめのシーンはありましたが、『ハウス・ジャック・ビルト』とは異質のもの。

『サスペリア』のラストには癒しがあり、それを目撃するジョセフ医師の目線があるからこそ、第三者として傍観出来るんですよね。

でも、『ハウス・ジャック・ビルト』はサイコパス=ジャック自身の目線で描いているため、癒しなんて皆無でただただ狂気の沙汰。

しかし、その狂気の沙汰にどこかユーモアがあるから、殺戮シーンにドン引きしながらも徐々にジャックに心が動いていく。
終盤、ジャックの殺人行為もあるきっかけから終止符が打たれるのですが、そのとき自分の中で「あっ、もうジャックが人を殺める姿が見れないんだ・・・」と少し寂しい気持ちになったんです。
そのとき自身の異常性を疑いながらも、「ジャックという登場人物も、一人のあたり前な人間だと感じられるように造形する必要があった」と語るラース・フォン・トリアー監督の手中にまんまと収まっていることに気づいてもう感服でした。

ジャックが劇中で「殺人を犯すと強迫性障害が改善される」と語っているように、私自身もジャックの姿を通じて自分の中に眠る何かが満たされるような、解放されるような、突き動かされるものがあったんです。

それは一種、テレビでお笑いを見て爆笑することで日頃のからストレスが発散されるのと同質なものなのかな?

だから『ハウス・ジャック・ビルト』はただのサイコホラーなんかではなく、一種コメディであり、素直にジャックの異様な殺戮行為や強迫性障害による神経質な姿を見て笑っても良いんです!

挿入される芸術の数々

ジャックの芸術家思考を描写するように、劇中に様々なアート映像や音楽が差し込まれることも『ハウス・ジャック・ビルト』の特徴の一つ。

ピアニストのグレン・グルードの演奏シーンやデヴィッド・ボウイの「Fame」、ボブ・ディランの「Subterranean Homesick Blues」のMVを彷彿とさせるシーンなどなど。

Bob Dylan – Subterranean Homesick Blues

 

特に強烈に印象に残っているのはウジェーヌ・ドラクロワ『ダンテの小舟』(1822)を模した終盤のシーン。


『ダンテの小舟』とは、イタリアの詩人ダンテの『神曲』の「地獄編」に着想を得た作品であり、ジャックが地獄へと足を踏み入れていることを表しています。

これらのアート要素に本当に意味はあるのか?

公式パンフレットにはキーワード集として挿入されるこれらの事柄について解説が載ってはいるので、全く意味がないわけではないとは思います。

ただ、それらも監督のお遊びなんじゃないか?と思えてしまうほど、ジャックの殺害方法には一貫性がないし、度々挿入されるデヴィッド・ボウイの「Fame」やグレン・グールドの狂ったようにピアノを弾く姿も執拗に繰り返されすぎて笑いを誘っているようにしか思えない。

ラース・フォン・トリアー監督のちょっとした茶目っ気を感じるんです。

 まぁ、私のアートへの理解力がないだけっていうのもありますけどね!

まとめ

散々怖いやらコメディやら言ってますが、

改めて鑑賞は自己責任でお願い致します。

好きな人は好き、受け付けない人は全く受け付けない問題作であることには変わりありませんので。

あっ、最後に『ハウス・ジャック・ビルト』を鑑賞する際に注目して欲しい点が一つ。

それはわかりやすすぎるほどの

誰かが犠牲になるシーンなどの大事なところでは必ず赤が使われているので、ご注目くださいませ。

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