映画『ザ・ヴォイド 変異世界』レビューとイラスト

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映画『ザ・ヴォイド 変異世界』概要・あらすじ

概要

70~80年代名作ホラーからインスパイアされた物語にあらたな恐怖を創造する!
『マンボーグ』(2011)で自主映画ながらもそのハイレベルなVFXで世界の映画ファンを驚愕させたJ・ギレスピーとS・コスタンスキ。
その才能がハリウッドでも認められ『パシフィック・リム』『バイオハザードVリトリビューション』、近年は大ヒット作『IT/イット』にもVFXスタッフとして参加するなど目覚ましい活躍を続けている。
気鋭のコンビの最新作である本作は、彼らが愛してやまないジョン・カーペンター、クライヴ・バーカー、スチュワート・ゴードンといった70~80年代の名作ホラーが持つ肉体破壊、精神的恐怖にインスパイアを受けつつ、10年以上に渡って磨き上げてきたVFXスキルと斬新なクリーチャーデザインを駆使して驚愕の世界観を創造した。

あらすじ

深夜のパトロール中、保安官のダニエルは血まみれの姿で閑散とした道路に立っている男を目撃する。
ダニエルはその男を追って人里離れた田舎の病院にたどりつくが、そこにいる患者と病院関係者は何か「人間ではないもの」に変身しようとしていた。そんな中、銃を持った中年男と斧を持った若者も病院内に乱入、怪物を倒すも人間たちにも好戦的な態度を取る。さらに病院の外では大型ナイフを持った白装飾のカルト集団に包囲されてしまう。
病院の内外では怪物とカルト集団がうごめき、人間たちにも誰が敵か味方か分からない疑心暗鬼が渦巻く。
逃げ場なしの絶体絶命の中で、ダニエルは生き残った者達を率いて何とかその病院から脱出しようと試みる…。

映画『ザ・ヴォイド 変異世界』感想

夜の病棟、悪魔崇拝、カルト集団、そして阿鼻叫喚のクリーチャーの嵐・・・。

こんな映画を待っていた。と言っても過言ではないほどの作品と出会ってしまいました。
その作品は80年代のホラーを彷彿とさせる『ザ・ヴォイド 変異世界』

道端で倒れていたジャンキーを町外れの病院に連れて行ったことから始まるワンシチュエーションホラーかと思いきや、
カルト集団(頭部に三角が印字された白装束を纏っている)が出てきたり、
サイコな悪魔崇拝者が出てきたり、
ゴアゴアなクリーチャーが出てきたりのオンパレード。

ホラー好きを楽しませるために作った、ホラー界のエレクトリカルパレードかと思いましたよ。

これだけの要素を詰め込んでいるにも関わらず、
B級映画にありがちな「こういうの入れ込んどきゃおもしろいでしょ?」という観客を舐めた作り手の安い手腕が全くなく、
本当にホラーやクリーチャーが好きなんだなぁこの監督、と心底思えることに感動。

熱量が半端なくて、後半の畳みかけるようなゴアで汚い(褒めてる)クリーチャーの嵐はもうお腹いっぱいいっぱいで、
しばらくクリーチャーものは遠慮したいくらいです。

世間的には今作の評価は決して高くないのですが、モノ好きな人にとっては一生ものの作品になるのでは。
私自身、おすすめのクリーチャー作品は?と聞かれたら真っ先に今作を出そうと思っております。

ストーリーは説明不足というか観客に丸投げの部分もあるけれど、
最後はなぜか心がちょっと軽くなるような、不思議な余韻に満ちています。

個人的には今都市伝説にハマっているから、三角マークが随所に出てくるのはちょっとテンション上がりました。
あの世とこの世、まさしく邦題のサブタイトル「変異世界」を表す三角マーク。
そして、あの秘密結社のシンボルマークでもある三角。

あからさま過ぎるくらいに三角が登場して笑っちゃうけど、
都市伝説好きの心をくすぐる、にくい演出です。

アサミヤカオリ

イラストレーター/造形作家/映画コラムニスト/漫画家

1983年生まれ。大阪出身。
2018年より徳島に拠点に移して活動中。

AWAP『映画コラム』/ BRUTUS『赤恥研究所』連載中
B級映画/ラジオ/観葉植物好き。最近は22時就寝5時起きで制作がんばってます。メキシコ行きたい。

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