シュワちゃんで泣けるなんてなっ! 映画「マギー」レビューとイラスト※ネタバレあり

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70点

 
 
こんちゃ!アサミヤです。
今回ご紹介する映画はアーノルド・シュワルツネッガー主演の映画『マギー』。
 
ゾンビウィルスが蔓延る近未来が舞台のゾンビ映画。
シュワちゃん演じるヴォーゲル家の父ウェイドは娘マギーがゾンビウィルスに感染したことを知る。
完全にゾンビになるには数週間の時間がかかる為、自宅でマギーを見守ることにしたウェイドだったが、隔離施設に入れようとする警察との対立や少しずつゾンビ化するマギーを見守る苦痛と闘うのだった・・・。
 
っていう内容なんですけどね。
シュワちゃんのゾンビ映画って聞いただけで、『ターミネーター』世代の皆様はワクワクするのでは!?
 
ところがどっこい・・・・はっきり言って期待には沿えない内容になっております。
 
期待値が高ければ高いほど、残念がっかりで賞・・・な内容。
 
シュワちゃんに興味がある方だけでなく、ゾンビ映画観たさに手に取った方も「なんやこれ!金返せや!」な結果になってしまいかねません。
 
でも待てい!
これは視点を変えればめっちゃええ映画なんや!
早まるでない!
 
一度観てがっかりした人もまだ観てない人もアサミヤの注目ポイントを読んで観るがよろし!
 
 

『マギー』面白ポイント

1.シュワちゃんが戦わずして強い!渋い!

シュワちゃんと言えば、屈強な筋肉バカ(いい意味で)。

まぁ元々ボディビルダー出身だから、肉体で勝負するのは当然のことなんでしょうけど。

でも、ただただ体の大きさが売りのアクション俳優じゃないのよ。

彼の凄さがわかるのは『ターミネーター』で見せつけた悪役アンドロイドの演技。
寡黙な悪役キャラから滲み出るお茶目さは、彼自身が考え確立したもの。

後に政治家に転向したことも考えれば、実は知的なシュワちゃんなのです。

 

しかし、彼が”演技派”であるというイメージは、皆無。

年をとっても”肉体で勝負しているおじさん”イメージは拭えない。

最早そう見えるように彼自身がプロデュースしているのか!?と思えるほど。

 

ところがどっこいですよ。

『マギー』を観て、私はシュワちゃんに”ごめんなさい”をしたい気持ちになりましたよ。

「なんて渋くてかっこいい演技するんや!」

”ただ年をとった肉体バカ”は『マギー』の中にはおらず、”強そうで愛情深いお父ちゃん”がそこにはいたのです。

 

ゾンビ化が進む娘をいずれ殺さなくてはならないのかと銃を握りしめる父。

娘を隔離施設へ渡さない為に警察と殴り合いまでする父。

 

そこには娘への深い愛情と、間も無く娘を失う苦痛が滲み出ていて、こちらも胸が苦しくなるのです。

シュワちゃんの演技でこんなにも心動かされるなんて・・・驚き。

2.アビゲイル・ブレスリンが無垢すぎて!

『リトル・ミス・サンシャイン』での子役として有名なアビゲイル・ブレスリン。

『マギー』ではこんなおっきいなったん!?とびっくりさせられました。

背丈はもちろん、豊満なバディが立派な女性です。

 

アビゲイルが演じるのはシュワちゃんの娘役マギー。
家出した先でゾンビに襲われて感染するんですが、少しずつゾンビになるマギーを観てると父ウェイドでなくても辛くて辛くて・・・。

いくら顔に亀裂のような血管が走ろうとも、黒目が白目状態になろうとも、彼女はいつまでも家族を愛する可憐な少女。
日に日にゾンビになりゆくとも、かわいらしい少女を演じられるのはアビゲイルだからこそ。

肌が透き通るように白くて、少女漫画を体現したようなふんわりワンピースが嫌味なく似合うって貴重ですよ。
現代日本で受け入れらているゾンビと萌えの融合に成功したアメリカゾンビ映画としても評価されるべきでしょうな。

同じくゾンビになる過程を描いた『スリーデイズ・ボディ』は主人公や恋人やビッチな人間らが氾濫してましたが、
こちら『マギー』では、好きな男の子とキスをする瞬間にこちらも胸がキュンとなっちゃうくらいウブな人たちばかりなのよ。

 

そんな純粋無垢な少女マギーを自分の手でいつか始末しなくてはならないなんていう葛藤に苛まれるウェイドの気持ちを考えると・・・

くぅぅぅぅーーーー!苦しゅうてたまらんわ!!

3.ゾンビという概念に捉われるでない!

以上2点の面白ポイントを読んで頂いておわかりのように、『マギー』はゾンビの恐怖を描いた映画ではないのですね。

ゾンビというメタファーを通して、病に冒される家族への愛を描いた物語なのです。

ゾンビ映画の醍醐味と言えば、爆発的に拡大するゾンビの絶対数と立ち向かう人々の葛藤やアクションシーン、そしてゾンビをなぎ倒すカタルシスにあると思うのですが、『マギー』ではそんなアクションもカタルシスも全くなし!

むしろ家族を病により失うかもしれないという不安と重々しい不穏な空気しかない!

 

だから目線を変えて観てほしいのね。

ゾンビに追い込まれる恐怖より、病により家族を失う恐怖を体感する映画として観るべし!!

4.美しい映像だからこそ痛々しい!

重々しい空気が漂う中で、映像がとっても美しいこの映画。

田舎のだだっ広い空と深々とした緑に覆われた森。

その中にたまに現れるゾンビすら、醜いものではなく清らなかなオブジェのように見える。

そんな見目好い風景の中で起きる家族の悲劇が、だからこそ痛々しくて、観ていてずっと苦しい気持ちでした。

 

娘を隔離施設に入れれば娘にとって劣悪な待遇が待っているだろうし、このまま家族の元に置いておけばいつゾンビ化して襲い出すかもわからない・・・。
八方塞がりな状況に置かれたシュワちゃんの苦悩に満ちた表情がまた痛々しいんだな。

 


総評:シュワちゃんのゾンビ映画・・・『マギー』が普通のゾンビアクション映画であればその一言で片付けられたでしょう。

しかし、これは「家族の愛」を描いた作品だからこそ、そんな一言では決して片付けてはいけない一作になり得たのです。

美しくて泣けるのよ。
最後のシーンは唯一希望が持てるんだけど、どう考えたって悲劇的な展開なのにちょっと救われたような気持ちで終われるのもまた尾を引く作品なのね。

泣けるゾンビ映画としてぜひ涙腺緩めにして観てほしいのです。

シュワちゃんでこんなに泣かされる日が来るなんてね!

 

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★ゾンビになる過程を描いた傑作。エグさはこちらの方が抜群。虫がたくさん出てくるよぉ。

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