
概要・あらすじ・キャスト
概要
「このミステリーがすごい!」2002年版海外編で第1位を獲得した、ボストン・テランのベストセラー『神は銃弾』。名匠ニック・カサヴェテスが『ジョンQ-最後の決断-』や『きみに読む物語』に続き、深く人間の葛藤と感情を描き出す手腕をもって、この衝撃作を映画化した。カルト集団に元妻を惨殺され、愛娘を誘拐された刑事が、過去に同じカルトから逃げ延びた女性と手を組み、狂気の追撃劇に挑む――。鮮烈な暴力描写とスタイリッシュな映像美が観る者を圧倒する、スリリングで美しくも苛烈な物語がここに誕生する。(THE KLOCK WORXより)
あらすじ
クリスマスの夜、刑事ボブ・ハイタワー(ニコライ・コスター=ワルドー)の元妻とその夫が惨殺され、愛娘ギャビが忽然と姿を消した。その背後には、悪魔のようなカルト集団「左手の小径」の影が蠢いていた。絶望と怒りに苛まれたボブは、かつてカルトに誘拐され生還を果たした女性、ケース・ハーディン(マイカ・モンロー)と出会う。深い傷を負った彼女は、ボブの苦悩と覚悟に心を動かされ、再びその悪夢の世界へ戻ることを決意する。法の力が及ばぬ闇を前に、ボブは正義の限界を悟り、刑事の職を捨て、その忌まわしい世界へと足を踏み入れることを決意する。ボブとケース、二つの傷ついた魂は痛みと怒りを武器に、奈落の淵へと進んでいく――。(THE KLOCK WORXより)
キャスト
監督・脚本:ニック・カサヴェテス
出演:ニコライ・コスター=ワルドー
マイカ・モンロー
ジェイミー・フォックス
感想
カルト集団によって娘をさらわれた刑事のボブとカルト集団から逃げ延びた女性ケース。
二人が協力して娘を探す中でボブは自身の信仰と、ケースは自身の過去と向き合うことになる。
「このミステリーがすごい!」2002年版の海外編で第一位を獲得した著書を映画化した今作。
ニコライ・コスター=ワルドーとマイカ・モンローという大好きな二人が共演とあって、150分超えという長さながら鑑賞しましたよ。
普段B級ばっか観てるから、大体そういうのって90分くらいの尺なんだけど、2時間半を超す長さなのに濃密すぎてあっという間の映画体験でした。
もう一言、傑作であります。
R15がついてるくらいのバイオレンス描写が話題なんだけど、個人的に肝はボブとケース二人のドラマ性で、バイオレンス版『はじまりのうた』と言っても過言ではないくらいにプラトニックな愛が徐々に彼らの間で育っていく。
ボブが瀕死の状態から回復した際に水を汲んできたケースの顔を愛おしそうに撫でる、その描写はどんな性描写よりも愛が伝る!!
あんなに指一本一本に男を、性を感じたことないですよ!
一応彼らのキスシーンもあるんだけど、逆にそれは性的なものよりも家族の絆のような強さが感じられて、苦難を乗り越え、男と女という間柄を超えた先にあるスキンシップの一つでしかないというか。
バイオレンス描写はこれでもかと力を入れるけど、無駄な性描写は絶対に入れないぞっていう監督の意図が二人の関係性にも出てましたね。
真面目なクリスチャンであるボブが神も悪魔もただの概念だと豪語するケースによって自身の潔白さに疑いを持ちそぎ落とされていく姿は、「シープ(羊)」から「コヨーテ」へと変貌していく様そのもの。
(実際にケースは当初ボブをシープと呼び、ラストにはコヨーテと呼んでいる)
前述したようにバイオレンス描写も半端なくて、驚くほど簡単に頭が吹き飛ぶし、銃弾こそが神だと言うケースの言葉通り次々銃弾が人を裁いていく。
後半の、まるでマッドマックスかのようにタトゥーだらけのカルト集団が花火を背に襲ってくるとこなんてもはや笑える!
鮮烈な暴力の数々によってリベンジものとしても最高傑作であるし、ボブとケース二人のヒューマンドラマとしてもマジで最高。
ずーーーーっと二人を観ていたい。そうラストに思えたくらいに愛が詰まってました。
プラトニックな男女や過激なリベンジものがお好きな方、ぜひ。
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血で血を洗うリベンジものがお好きなら。
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