感想
ハロウィンの夜、親友同士のタラとドーンはダイナーで不気味なピエロの格好をした男と出会う。
彼女たちは逃げるように店を出るが、その間にダイナーではピエロ男による殺戮が行われていた。
今作はストーリーや誰が生き残るのかといったハラハラドキドキ感とは無縁の、
ただただピエロが殺戮を繰り返すシーンを楽しむ極めて不謹慎なスプラッターホラーです。
今年には続編となる『テリファー 終わらない惨劇』が公開になるということで、まずは第1作目を鑑賞することにしたんですがね。
正直この手のスプラッターものって大の苦手。
80年代の『死霊のはらわた』や『ヴィデオドローム』などのスプラッターモノはまだVFXに荒さが目だったり、作り手の創意工夫が面白かったりして鑑賞できるんですが、
最近の『ホステル』や『グリーン・インフェルノ』とか(両方イーライ・ロスだな)って生々しすぎて直視できないんですよね。
だから『テリファー 終わらない惨劇』の試写会のお声がけをいただいたんですが、
「うわぁ、苦手なジャンルきたー」って心の中では思ってました・・・笑
でも映画好き、特にB級好きを公言してるんですから観ないわけにはいかない。
ということで一作目を観ましたが。
いやぁ、きつい笑
切り株描写はまだしも、『トマホーク ガンマンvs食人族』並の股割き描写は作りもんとわかってても目を細めましたね。
ちなみに、私なりにスプラッターものの心理的負担の回避方法はひたすら心の中で「これはつくりもんや」と呪文を繰り返すことです。
スプラッター描写の凄さが目立つ今作ですが、
何より心奪われるというか目を引くのはピエロ男の表情。
死んだ目に突き刺さりそうに垂れ下がる鼻、にかーっと大きく開いた口から覗く赤く染まる歯・・・
一眼見ただけで、「歴史に残る殺戮ヒーローが誕生したな」って思いました。
そして80年代を彷彿とさせる色味のざらつきや演出も、ただの低予算残酷ものとは一線を画すこだわりやセンスを見せていて、嫌いになりたくてもなれない不思議な魅力に満ちてる。
どこから来てどこへ行くのか、なぜ殺戮を繰り返すのか、全くもって説明なしの謎多き演出はラストのピエロ男の行く末も相まって投げやり感はありますが、
だからこそ『13日の金曜日』や『悪魔のいけにえ』とは違い、背景の見えなさが殺戮ヒーローとして格上に思えるのです。
グロ耐性がない人は絶対吐くから観ないで欲しい。
グロ耐性がちょっとばかりある人も吐く可能性はあるけど、
新たなるヒーローの誕生を目の当たりにして欲しい。
これでもかと襲いくる残酷シーンは必見です。
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意外にグロ表現満載な、大好きな作品。
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