
『ヲタクに恋は難しい』なんて漫画があるけれど、実際にオタクは恋に向いていない。
私自身はオタクではないし、ある程度場数(恋愛的な)は踏んでいる方なので当てはまらないのだけれど、オタク気質な人といい感じになったこともあるしオタク心理は理解できるからわかる。
オタクは総じて自分が大事だ。
自分の趣味に生き自分の都合の悪い出来事には目をつむる。
だから自分の思い通りには決してならないリアルな恋愛なんてオタクにとっては邪魔でしかない。
例え恋仲になった人がいたとしても、それは体だけの繋がりだけだったり傷つくくらいならこっちから捨ててやる精神で突如連絡を絶ったりする。
あぁ、オタクを敵に回すことばかり書いてしまった。
でも今作を観ればこの論も納得いくだろう。
主人公が恋に落ちる、イメージ通りのオタクである男じゃロッド。
彼は女性といい雰囲気になっても「キスしたい?」「セックスしたい?」っていちいち確認する。
許可を取るのは、いざ事に及んで拒まれれもすれば大ダメージだからだ。
あぁ姑息。
因縁の男との決戦があるからという理由で別れを告げるし、別れたら別れたで元恋人が他の男性の注目を集めるとヤキモキする。
なんかここまで書いてきて、あれオタクってかわいいかもって思えてきた。
ただただ子供なんだな、オタクって。
あまり人とコミュニケーションをとらずに自分の遊びに夢中になる子供と一緒だ。
そう思えると愛しくて、ちょっとした恋愛の粗相も許してあげたくなる・・・なんて思ってるどダメンズに引っかかるんだな。
とりあえず、『イーグルVSシャーク』はまぁそんな映画だ。
恋愛要素は強いけど、『リトル・ミス・サンシャイン』みたいなちょっとしたロードムービー的要素と人間同士の繋がりが描かれていて結構奥深い。
間や笑いのセンスがとにかく絶妙で、あと一歩でダサくなりがちなところを平均台を渡るみたいにギリギリ保って最後まで押し通すんだから、真の笑いのツボをわかってる人にしか作れないよ、これは。
とにかく傑作。
サメ映画かと思って観るとがっかりするかもしれないけど、予想以上の破壊力に「出会えてよかった!」ってなる作品。ぜひ観てほしい。
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