人間は誰しもが壁(ボーダー)で隔てられている、と思う。
理性と本能の壁、男と女の壁、女と母の壁・・・。
主人公が一番向き合うことになるのが、人間と”獣“と母の壁だ。
人間と”獣“、それらは本来それぞれ踏み越えられる境界ではないはずなのだが、「母」という存在が現れた途端、壁は消滅する。
彼女は最終的にただの「母」になる。
「母」は全てを超越した存在に思える。
私自身、母になってそう思う。
女でもあり、人間でもあるのだけれど、子を守るという役割において、母は獣にもなりうる。
彼女がいくつもの壁に向き合いながら最終的にそれらを超越したように、観る側も壁を乗り越える「何か」を見つけられたら良いな、と思うし、必ずある、と思う。
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