映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』レビュー※ネタバレなし

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こんちゃ!アサミヤです。
あの大人気シリーズ『TAXi』が11年ぶりに帰ってきた!!ということで、1月18日に公開される新作『TAXi ダイヤモンド・ミッション』をいち早く鑑賞致しました!

実はわたくし、『TAXi』シリーズを一度も観たことがなかったんです・・・。
レビューするにあたって、ちゃんとシリーズ観ておかなきゃなーと思い調べてみると、正規のシリーズ4作品に加えて、ハリウッドバージョンやテレビシリーズまで作られてんのね。すごい人気!

でも全てを見返すにはちょっと体力がもたんなーと思いまして、正規の4作品だけしっかり鑑賞しましたよ!

今までのシリーズとの違いや見所ポイントなどをネタバレなしでレビューしていきますよ!

ちな、豆知識ですが、TAXIではなく、TAXi(iだけ小文字)なんですよ。
なぜなのかは知らん。

映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』概要・あらすじ・キャスト

概要

TAXi ダイヤモンド・ミッション』(タクシー・ダイヤモンド・ミッション、Taxi 5)は、2018年のフランスの犯罪アクションコメディ映画。監督・脚本・主演はフランク・ガスタンビドゥ(フランス語版)、出演は他にマリク・ベンタルハ(フランス語版)ベルナール・ファルシー(フランス語版)など。カーアクション・コメディが中心のフランス映画『TAXi』の第5作だが、今作では主演キャストを一新し、超絶ドライビングテクニックを持つがスピード狂の警官・マロと、伝説のタクシードライバー・ダニエルを叔父に持つ間抜けなタクシー運転手エディが高級車を駆るイタリアの宝石強盗団に立ち向かう姿を描いている。

日本国内配給元のアスミック・エースのクレジットが(同社の社名変更に伴い)『3』・『4』の「Asmik Ace Entertainment Inc.」から「Asmik Ace A J:COM COMPANY」に変更された。(Wikipediaより)

あらすじ

スピード狂の警官・マロはパリ警察検挙率No.1を誇りながらも、問題の多さが原因でマルセイユに左遷されてしまう。赴任先のマルセイユ警察は、スーパーカーや最新装備を駆使したイタリアの宝石強盗団に頭を悩ませていた。マロは彼らに対抗すべく、時速300kmを叩き出す伝説のタクシー、プジョー・407を入手するためダニエルの甥で間抜けなタクシー運転手・エディと組むことになる。(Wikipediaより)

スタッフ

監督:フランク・ガスタンビド

製作:リュック・ベッソン
   ミッシェル・ペタン
   ロラン・ペタン

キャスト

フランク・ガスタンビド:シルヴァン・マロ


スピード狂の警察官。
特殊部隊への入隊を夢見るも、問題児の為地方都市マルセイユに左遷される。

前作までの主人公二人の「警察官」要素と「スピード狂」要素をミックスした人物像。
前作までは主人公二人が補い合ってるというバディ感が魅力だったと思うんだけど、かっこいい要素を一人に集約しちゃった感じ。エディ↓いらんやん!

実はこの人が監督です。
頭の形がきれい。

 

マリク・ベンタルハ:エディ・マクルー

Uberで最低評価を持つ間抜けなタクシードライバー。

前作までの主人公二人の「地元に精通したタクシードライバー」要素と「口だけの軟弱男」要素をミックスした人物像。
かっこいい要素を全部マロ↑に持って行かれたため、残ったのはただのアホな行動をとり続ける「面白人間」というキャラクター。

とはいえ、彼がこれまでのシリーズの主人公(タクシードライバー・ダニエル)の甥であることが一応ストーリーの鍵となる。あと、お姉ちゃんが美人。

ものすごく面白い身体の持ち主。
パンツはブリーフ派。

 

ベルナール・ファルシー:ジベール市長

全シリーズに登場する頭ひとつ飛び抜けて間抜けなおじさん。
これまで警察署長だったが、今回市長になって登場。

マジで行動原理が謎。この人が市長で大丈夫か・・・。

 

サブリナ・ウアザニ:サミア

タクシードライバー・エディの実の姉で、美人で自動車整備士。

車をチューンアップしてくれる上にヒロイン役も兼任という、ストーリーを簡潔にしてくれる、ものすごく都合のいいポジションの登場人物。
当然、主人公マロの熱烈アタックを受けるが、いなし方がかっこいい。

 

●エドゥアルド・モントート:アラン

これまでの作品にも全て登場してきた警察官のおじさん。
大体の世界観を説明した後、ものすごくあっさりメインストーリーからいなくなる。

映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』感想

79点

安定のアホさ

冒頭でもお伝えした通り、シリーズ第1作から20年経った今になって初めてシリーズ通して鑑賞したのですが、抱いた感想はたった一言。

くだらねぇーー!

褒めてますよ、一応。
私、面白い映画の条件の一つに「鑑賞後に何も残らない」ことが入ると思っているのですが、まさしく『TAXi』シリーズはまっっっっったく何の読後感もなし!

これほどまでに潔く、約90分の時間を費やしたことを忘れてしまうほどのあっさりした後味を味わったことがありましょうか!?

あくまでも褒めてますからね!

一応、TAXiシリーズをご存じない方に軽く説明しておきますが、底抜けにおバカな登場人物がノンストップで繰り出すくだらないギャグと、ほぼノーCGのカーアクションが魅力であり、その双方がミスマッチであればあるほど面白みを増すリュック・ベッソン渾身のシリーズなのです。

今作は主人公含めほとんどのキャストが交代しているのですが、そのテイストは相変わらずです。
出てくる人間みんな一様に狂ってるのかと思うほどに言動がおバカすぎるのですが、それをいちいち突っ込んでいたら身がもたないのではと危惧するほどのくだらなさです。

なんか褒めてるのかわからない内容ですが、ただただ面白さを求めるのであれば最高のシリーズだと思います。

安心して笑える、安心して爽快感を味わえる、そして何も残らない。
家族でも一緒に楽しめる!
映画って本来こういうものなのかもしれませんね〜〜。

リュック・ベッソンとは何者じゃ?

映画が好きな人ならもちろんご存知。そんなに映画に興味がなくても名前くらいは知っているかも?
TAXiシリーズといえばリュック・ベッソンですよね。(監督ではなく脚本や制作ですが)

ちょっとwikipediaを調べてみただけで「これもこれもリュックベッソン関わってんの?」と驚きました。
いわゆる「リドリースコット現象」ですね(私が勝手に作った現象)

LEONやニキータみたいなシリアス系から、SF、歴史大河、ファンタジー大作、カーアクション、コメディまで、なんでもござれのこの監督。

どうやら私も愛するバンド・デシネ愛好家らしく、実際にバンド・デシネが原作の『ヴァレリアン』を映画化しています。

バンド・デシネをご存じない方に軽くご説明しますと、フランス語圏の漫画のことを指し、「9番目の芸術」と言われるほどアートの域に達した作品ばかりなのです。

私がリュック・ベッソン作品で一番バンド・デシネの影響を感じるのは、ブルース・ウィリスとミラ・ジョヴォヴィッチ主演の『フィフス・エレメント』。

突飛なファッションにスペクタルなSF世界、宇宙を駆け抜ける壮大な物語、それらはまさしくバンド・デシネの世界観なのです。
バンド・デシネをご存じない方でも『フィフス・エレメント』を観ればその独特の世界観に魅了されるはずですので、ぜひご覧下さいませ。

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ちなみに『TAXi』シリーズはそんなバンド・デシネの色味は全くありません(笑)
アートとか壮大だとか、そんな言葉とは無縁ですが、その分何にも考えずに楽しめる!

そんな振り幅の大きいリュック・ベッソンの底力、計り知れません!

シリーズ初の役割を持った主人公マロ

シリーズの1〜4まで全て見たのですが、実はそのテンションというかノリに慣れるのにかなり苦労した部分があります。それは「登場人物の全員が全員、ムチャクチャやりよる」ということです。

これは近年のフランスコメディ映画シリーズ「ヒャッハー」シリーズにも少し感じられる点なので、フランス製コメディの特徴なのかもしれませんが、とにかくTAXiシリーズはずっと、登場人物全員「行動原理がわからない」んです!

いきなり踊り出す、求愛しだす、怒り出す、後先全く考えずにその場しのぎで行動する人物があまりにも多すぎて、つぎはぎの一発ギャグをひたすら見せられているような感覚でした。

例えば、むちゃくちゃな状況になるコメディ映画として有名な「ハングオーバー」シリーズでは、登場人物全員に何かしらの「行動原理」、もっと簡単に言えば「こういうバカなキャラクターだからこういう行動をとるのは無理もない」という説得力がありますよね。加えて、酒とドラッグでもうわけがわからなくなっていた、という、「理由」もちゃんと提示されます。
なにかしらの、それなりの「なりゆき」があって、「キャラクターの行動原理や思惑の違いが絡み合って、絡み合いまくった末にむちゃくちゃになってしまった」という納得感があるからこそ、初見でも笑いやすかったのかな、と思います。

そして何より、大事な「戸惑い役」がいることが重要でした。劇中で起こっている事態がどれくらい異常なのかを、観客に伝えてくれる役割ですね。
それは「なんでこんなことになってしまうんだ!!」と言ってくれる「まともな人間役」の人で、それはハングオーバーシリーズではブラッドリー・クーパーが演じている役割になってくると思います。
彼がいたからこそ、観客は彼の「倫理観」や「どれくらいまともな人物なのか」という軸をもって、劇中のイカれた世界を傍観者として楽しむことができたと思います。要するに漫才のツッコミの役割ですね。
追われる人がいなければホラーなんて怖くないですし、簡単に倒されるザコキャラがいなければスーパーヒーローの強さはわからないですもんね。

でも・・・TAXiシリーズにはそれが、いなかったんです・・・! ずっと・・・!
みんながみんな、とにかくムチャクチャ。狂った世界で狂った人物たちが狂った行動を取り続ける・・。

正直ちょっとしんどかったんですw
ほんとにひたすら、前後のストーリーなんて関係なくギャグを出し続けられるわけですから。

しかし今回、第5作目にして、やっと「戸惑い役」が登場したんです!それが主人公のマロ。

彼は、一応「スピード狂」であり「女好き」な問題児というキャラクターを持ってはいますが、次々に現れる異常な世界観の狂人たち(それこそ舞台のマルセイユ警察署の署員たちが全員イかれてます)に対して、ちゃんと戸惑ってくれます。

こういう軸になる人物を置いてくれたことによって、この映画は前作までに比べてかなり見やすくなっていると思います。

ていうか1〜4まで、よくこのポジションをおかずにこれたな、とも思うのですが・・・。

今度の敵はイタリア!

TAXiシリーズの真の主役といえば、もちろん主人公が走らせる「プジョー」ですよね。

フランスで普通に走っているタクシー(をめちゃくちゃ魔改造したやつ)が、外国の高級車を打ち負かしたり、ありえない状況を走ってしまう!というカタルシスが見どころであり、ていうかそれ以外は結構どうでもいいわけです。

特にシリーズ1,2では、海外有名メーカーのハイスペックな車と、めちゃくちゃ改造されてはいますが一応普通のタクシーである「プジョー406」がカーアクションで争い、そして勝利するという、代理戦争的な構造になっていました。

今作までの構図をまとめてみました。

TAXi 1 :「プジョー406」vs 「メルセデスベンツ Eクラス」
TAXi 2 :「プジョー406」vs 「三菱 ランサーエボリューションⅥ」
TAXi 3 : ちょっと趣向が変わって「雪山」を舞台に、この魔改造プジョー406を走らせるぜ!という感じ。
TAXi 4 : 新車「プジョー407」に変わったけど、もはやあんまりカーアクションしないw

TAXi NY:「フォード」(アメリカの国民車)vs 「BMW」

TAXi 5(ダイヤモンド・ミッション):「プジョー407」vs フェラーリやランボルギーニなどイタリア高級車

 

まぁとはいえ車には全く興味がないアサミヤなので、車好きな人ならもっと楽しめるんだろうなぁとちょっとうらやましかったり。

全然余談ですが同様に、ガンマニアの方はキアヌ・リーヴス主演のガンアクション映画シリーズ「ジョン・ウィック」を見ると、そのリアルさや銃のチョイスなど、よだれが出るほど面白いらしいですね。
ガンマニアであるライムスター宇多丸さんがラジオで言ってました。

そういうところも、映画を楽しむ一つのポイントですよね。

まとめ

とにかくなにも考えなくていい、プラス、車好きならもっと楽しめるかも?
前作までと同様、登場人物はほぼ全員狂ってますが、違うのは主人公のマロがある程度「まとも側」に立ってくれているところです。

彼が「ツッコミ役」として軸を取ってくれている分、ギャグも笑いやすく、また話の流れもよりスムーズに頭に入ってくるようになったような気がします。

あ、言い忘れてましたが、もちろんカーアクションシーンは迫力満点!!

これは絶対に映画館向きの映画ですね。ちっちゃい画面で見るようなもんではないと思います。
日本の映画館では難しいですが、声を出してゲラゲラ笑ったり、車をかっ飛ばすシーンでは「ヒャッホ〜〜!!」なんて叫びながら思いっきり楽しみたい映画です。

そして、断言してもいいですが、見終わったあとには何も残りません。

ぶっちゃけ私、内容ほぼ覚えていません。

残るのは「楽しかったな〜笑ったなぁ〜」という記憶だけ!
それって素晴らしいことですよね!ザッツエンターテイメント!

 

アサミヤカオリ

イラストレーター/造形作家/映画コラムニスト/漫画家

1983年生まれ。大阪出身。
2018年より徳島に拠点に移して活動中。

AWAP『映画コラム』/ BRUTUS『赤恥研究所』連載中
B級映画/ラジオ/観葉植物好き。最近は22時就寝5時起きで制作がんばってます。メキシコ行きたい。

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