映画『サスペリア』(2018)レビューとイラスト※ネタバレなし

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『サスペリア』予告編

こんちゃ!アサミヤです。
今回ご紹介するのはなんと、待ちに待ち望んだ『サスペリア』リメイク版です!
レディオヘッドのトム・ヨークが音楽を担当したことでも話題になりましたが、私は個人的にレディオヘッドファンということもあり、絶対観なくては!と2019年1月25日の公開日を心待ちにしておりました。

そしたらなんと!またまた試写会のお声をかけて頂きまして、本当にありがたいことにいち早く鑑賞させて頂くことができました。

オリジナル版の『サスペリア』については、過去に一度鑑賞したことがありました。
しかしリメイク版を観るにあたって復習しなくては!と意気込んだものの、近所のレンタルショップに行っても・・・ない!!
中古DVDショップにもない!!

そして辿り着いたのがU-NEXT。
月額1,990円を『サスペリア』の為だけに払うのかーと思っておりましたが、31日間無料の文字を見て速攻でポチッとしました。
そしたらU-NEXTさんったら、他の配信では観られないような『2000人の狂人』やら『血の祝祭日』やらを配信してて、「こりゃ儲けもんだぜ、うっしっし」となっておる次第です。

話は逸脱しましたが、オリジナル版を観たいなぁとお思いの方は、U-NEXTでご覧くださいませ。

さて、オリジナル版から約40年を経てリメイクされた今作。
鑑賞後、あまりの衝撃でしばらく動くことができなかったくらいに、狂気・美醜・バイオレンスに満ちていて、平成最後にこの作品に出会えたことに感謝するくらいの傑作でした。

トム・ヨークの音楽も最高!
出演陣も最高!
最高だらけの今作をネタバレなしでレビューしていきますので、鑑賞前の方も楽しみにお読みくださいませ。

映画『サスペリア』概要・あらすじ・キャスト

概要

『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニー監督が幼い頃からの夢だったという、名作『サスペリア』(1977年公開)のリメイクを実現。
主演に『フィフティ・シェイズ』シリーズのダコタ・ジョンソン
そして一人三役(!?)を演じているティルダ・スウィントンに加え、クロエ・グレースモレッツ、オリジナル版でスージーを演じたジェシカ・ハーパーが名を連ねている。

あらすじ

スージー・バニヨンは夢と希望を胸にアメリカからやってきた。初のオーディションでカリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、すぐに大事な演目のセンターに抜擢される。そんな中、マダム・ブラン直々のレッスンを続ける彼女のまわりで不可解な出来事が頻発、ダンサーが次々と失踪を遂げる。一方、心理療法士クレンペラー博士は、患者であった若きダンサーの行方を捜すうち、舞踊団の闇に近づいていく。やがて、舞踊団に隠された恐ろしい秘密が明らかになり、スージーの身にも危険が及んでいた――。(公式サイト

スタッフ

監督:ルカ・グァダニーノ

脚本:デビッド・カイガニック

音楽:トム・ヨーク

キャスト

●ダコタ・ジョンソン:スージー

マダム・ブランに憧れて、名門マルコス・ダンス・カンパニーに入門するためにアメリカからベルリンにやってくる。一見可憐な少女だが、自分の意見を持った芯の通った女性。

マダム・ブランも彼女の踊りを一目見て、その才能に驚くほどの身体能力を持っている。

オリジナル版ではジェシカ・ハーパーが演じています↓↓

●ティルダ・スウィントン:マダム・ブラン

名門マルコス・ダンス・カンパニーのカリスマ振付師。
ダンスを指導するときもタバコを吸っているほどのヘビースモーカ。
普通ならツッコむとこだけど、その姿がかっこよすぎてぐうの音も出ない。

オリジナル版のマダム・ブランは常に威張っている様な横柄な人物だが、リメイク版では圧倒的な存在感ながら、繊細で不安定な人物になっている。

オリジナル版を演じたのは往年の名女優ジョーン・ベネット↓↓

●ミア・ゴス:サラ

スージーと仲良くなりながら、ライバル関係でもあるダンスカンパニーの一員。
オリジナル版のサラは魔女によって泣く子も黙る恐怖のゾンビ姿にされたが・・・。

ちなみにそのゾンビ姿がこちら↓↓

素敵だね。

演者は本当はとっても美しいステファニア・カッシーニ

クロエ・グレース・モレッツ:パトリシア

マルコス・ダンス・カンパニーの秘密を知り、クレンペラー博士の元に逃げ込むダンサーの一員。

初めはクロエ・グレース・モレッツだとは気付かないほど地味な姿。
どんな役でも可憐さが抜けない彼女ですが、今作ではその可愛さを微塵も振りまかず、演技力だけで勝負されています。

オリジナル版ではエヴァ・アクセンが演じています↓↓

●ルッツ・エバースドルフ:ジョセフ・クレンペラー(精神分析医)

オリジナルには存在しない新たなキャラクター。

パトリシアからマルコス・ダンス・カンパニーには秘密があると訴えられるも、初めは妄想だと取り合わなかった。
しかし、徐々にその秘密に迫り始める・・・。

実はこの役を演じているルッツ・エバースドルフという人物、HPにはしっかりとプロフィールが書かれていますが・・・架空の人物です。(ガイドブックにはちゃんと書いてありますから!ネタバレちゃいますよ!?)

では誰なのか?

それはこの記事の後半で!

●ジェシカ・ハーパー:アンケ

クレンペラー博士の生き別れた妻アンケ。
オリジナル版でスージーを演じたジェシカ・ハーパーが演じています。

『サスペリア』感想

95点

魅力的なキャスト

ダコタ・ジョンソン

リメイク版『サスペリア』を盛り上げるのは、何と言っても魅力的な女優陣。

主演はダコタ・ジョンソン

大富豪と女子大学生の”SM“な関係を描いたエロティック映画『フィフティ・シェイズ』シリーズのヒロインとしてブレイク。
大胆なヌードとセックスシーンを披露しています。

なんと祖母はアルフレッド・ヒッチコックの『鳥』でヒロインを務めたティッピ・ヘドレン、そして義父にアントニオ・バンデラス・・・っていうヤバイ家系。

 
 
 
 
 
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Good morning.. Hope you have a lovely day dakoholics ♥. . #DakotaJohnson #DakotaJohnsonIndonesia

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私もアントニオ・バンデラスが親族にいてほしいわ。

 

派手な顔立ちではないものの、どこか妖艶さが漂う知性的な女性で、今作でも序盤は少女性を漂わせながらも徐々に大人の色気で観客を魅了していきます。

ティルダ・スウィントン

そしてもう一人の主人公とも言っていいのがティルダ・スウィントン

なんやこれ、めっちゃかっこええな。

とにかく”中性“という言葉がこの上なく似合うお方で、『ナルニア国物語』シリーズでは魔女を、『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』ではヴァンパイアを演じていて、もはや人間という種すら超えた存在感。
特に印象に残っているのは『コンスタンティン』の天使ガブリエル役ですよね!

羽が生えた姿は、「本当にこの人、天使なんじゃねぇか」と思っちゃうほどのハマり役で、コスプレという文化を根絶やしにするほどの威力を持っていますよ。

そしてそして・・・今作では彼女の力が、ものすごい形で発揮されています。

なんと、一人三役!!

彼女自身の姿で、スージーが憧れるカリスマ振付師マダム・ブランを演じていますが、なんとそれだけではなく、老人のクレンペラー博士を特殊メイクで演じています。

初っ端から出てくるクレンペラー博士ですが、初めはこの人物がティルダ・スウィントンだとは全く気付きませんでした。
なんでも共演した女優さんも最後までティルダ・スウィントンだと気付かなかったんだとか。

体つきや歩き方から、話し方まで全く違う人物!
この変わり様だけでも、リメイク版『サスペリア』を観る価値は存分にあると思います。

そしてさらに、もう一役!特殊メイクを施して演じていますが、これは秘密にしておきますね。
劇中、果たして誰がティルダ・スウィントンなのか!?見極めながら見るのも面白いですね。

あ、でも2回目鑑賞の時のほうがいいですね。余計なことを考えていると絶対にこの映画はわけがわからなくなります。
・・・ってか、集中して観ていてもわけがわからなくなりますが。

ジェシカ・ハーパー

もう一人、注目していただきたい女優さんがいます。
それが、オリジナル版『サスペリア』で主人公スージーを演じたジェシカ・ハーパー

 
 
 
 
 
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Be still my heart! I got to hobnob with #ThomYorke in Venice…he wrote a DAZZLING score for Luca Guadagnino’s #Suspiria, opeing Oct. 26 @suspiriamovie

Jessica Harperさん(@jessicaharperama)がシェアした投稿 –

てかコレ、トム・ヨークと写ってるやん。
めっちゃ羨ましいやん。肩も触れ合ってもうてるやん。ちくしょう、ジェシカになりてぇ。

あっ心の声が。

トム・ヨークのお話は一度置いといて、ジェシカ・ハーパー、もうすぐ70歳ですよ!?
ナニ、コノ可憐ナ雰囲気!?

ちなみにオリジナル版『サスペリア』当時のジェシカ・ハーパーがこちら↓↓

 
 
 
 
 
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It’s witching time: walk softly and carry a sharp knife! #suspiria @suspiriamovie #horror

Jessica Harperさん(@jessicaharperama)がシェアした投稿 –

はい、もうかわいいね、これ。
このクリリとした大きなお目々と太い眉が色鮮やかな狂気の世界で恐怖に歪むのが、より一層怖さを引き立ててたのよね。

リメイク版ではクレンペラー博士の生き別れた妻アンケを演じいますが、画面いっぱいに映るジェシカ・ハーパーの相変わらずかわいいこと。

ぜひオリジナル版でジェシカ・ハーパーに恋した人も、楽しみに観てほしいと思います。
同窓会で初恋の人に会って、その変わりっぷりにがっかり・・・みたいなことはないからね。

クリスティーヌ・ルブット

これはオマケなんですが・・・って言ったら失礼だけど、オリジナル版を観てる人は気付くと思うけど、リメイク版にも引き続き出ているのが、クリスティーヌ・ルブット

THE OBACHANって感じの女優さんですが、オリジナル版でスージーに鏡を使って目潰し攻撃を仕掛けたり、台所で肉と包丁を振り回しながらゲラゲラ笑っている姿がなんとも不気味ですっごい印象に残ってるお方。

リメイク版でも中々の存在感で、特にラストの姿は強烈です。
ぜひこちらの女優さんにも注目してみて下さいませ。

オリジナル版との相違

バイオレンスな表現

目が痛くなるほどの極彩色に彩られ、魔女とバレエ団という甘美な世界で構築されたオリジナル版『サスペリア』。
ゴアな描写と大量の虫攻撃で観客の度肝を抜きつつも、その荒唐無稽でデタラメな内容は、まるで理解されることすら拒否するかのような、ぶっとんだオカルトホラー映画なのです。

それがリメイク版ではどうか?

オリジナル版では鮮烈な血の表現がまるで美術セットの一つのようでしたが、リメイク版はゴアというよりは痛覚に訴えかけてくるような直接的なバイオレンスに満ちています。

ラストに控える血の雨に染まった真っ赤な世界は、笑ってしまうほどの壮大なグロ表現で確かに強く印象に残っていますが、それ以上に目を逸らしたくなる程の痛みに溢れていたのが序盤、スージーがダンスする度にそれに連動して壊れてゆくオルガという別の女性ダンサーの体。

説明が難しい!!ってか、説明するのは無理ですね。こう・・・スージーがキレッキレのダンスをすると、別の部屋にいるオルガが、まるでスージーに殴られているかのようにボッコボコのメッキメキになっていくんですよ。

わかんない? わかんねーよな! 観たこっちだってってわかんねーんだから!!

という・・・オリジナル版にはない衝撃的な残酷シーンで、頭から離れません。

しかし強調しておきたいのは、それらはオリジナル版のように荒唐無稽に人を殺め、人々を恐怖に貶めるだけのバイオレンス描写ではないのです。

特に前述の、ラストの衝撃的なシーンでは、画面が血に染まるグロテスク表現ながらも、そこに恐怖よりも癒しを感じました。

だからこそ今作を観た後に「なんてものを観てしまったんだ」と思いつつも、切なく優しい気持ちが湧き上がり、またその狂気と癒しの世界に足を踏み入れたいと思ってしまいます。

強調されるフェミニズム色

話の筋はオリジナル版と同じく説明が省かれている点が多いものの、オリジナル版が公開された1977年当時の政治や情勢、踊りと呪詛との繋がりをより濃く盛り込んでいる為、見応えたっぷりの内容になっています。
正直152分という長さのホラーは苦痛に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、内容を理解すればする程に面白みが増してくる。
こんなに恐怖に彩られた作品で何度でも観たいと思えたのは初めてです。

オリジナル版ではスージーとサラの交流が主であり、バレエ団の中での女性同士の繋がりというものはほとんど描かれていませんでした。
しかしリメイク版ではより「女性世界」の色が濃くなり、「女の園」のような、フェミニズム色が強くなっています。
事実、唯一の男性として出てくるクランペラー博士をティルダ・スウィントンが演じており、事実上女性のみで構成されたキャストなのです。
監督曰く、「1977年はフェミニズムの運動も盛り上がった時期で、そういう空気を映画に反映したかった」のだとか。

フェミニズムな空気が色濃くなった分、より一層、”母性“というテーマも浮き上がってきます。
オリジナル版でのスージーはあどけない顔ながらも元々一本筋の通ったような女性でした。
リメイク版のスージーも、同じく自分の意見を持った強い女性ではあるのですが、オリジナル版にはない”母性“の開花が見られます。
これはネタバレになってしまうので直接的なことは言えないのですが、少女から大人(母性の開花)へと変貌を遂げるとき、きっとスージーの新たなる顔に見惚れるに違いありません。
「あれっ?ダコタ・ジョンソンってこんな顔だっけ?」と思うくらい、大人な色気に満ちています。

 

冒頭で次の言葉が出てきます。

「母はあらゆる者の代わりにはなれるが、何物も母の代わりにはなれない」

まさしくスージーが、何物にも成り代われない母なる存在に覚醒していく物語なのです。

オリジナル版を知っているからこその面白さ

他にも細かく見ていくと、オリジナル版を受け継いだ点がたくさん見つけられます。

  • オリジナル版でエレナ・マルコスのいびきが印象深く描かれていたが、リメイク版でもいびきが強調して描かれている。
  • サラが歩数を数えて秘密の部屋に行き着く。
  • 鏡を繰り返し使ったシーン。
  • 大胆なカメラワーク
  • スージーを「アメリカ娘」と呼ぶ魔女たち。

など、リスペクトとも受け取れる表現がたくさん見受けられます。

オリジナル版を観た方は、共通点を探してみるのも面白いかもしれませんね。

トム・ヨークの音楽が最高

映画と切っても切れない存在なのが、音楽。
オリジナル版ではプログレッシブ・ロック・バンドのゴブリンがサントラを担当し、高く評価されました。
耳について離れないシンセのうねりや居心地が悪くなるほどにわざとテンポをずらしたドラム。
『サスペリア』の狂気な世界観を見事に彩っています。

今聴いても名盤なので、ぜひ。

リメイク版では、映画音楽を初めて手がけるレディオヘッドトム・ヨークが担当しています。
冒頭でも書きましたが個人的にレディオヘッドが大好きで、就寝前にレディオヘッドのライブ映像を観てムフムフしながら夢の中に突入することを一時期趣味としていた私としては夢のようなお話です。

ゴブリン版の『サスペリア』サントラとは違い、精神を逆撫でするほどのアグレッシブさは皆無。
しかし、スージーが大人になっていく様子を凝然と見守るような優しさと、突き放したような冷たさが混在しています。
映画を盛り上げつつも寄り添うような姿勢を徹し、決して主張せず、映画音楽として最高の出来だと思っております(トム・ヨーク好きという贔屓目線ありなのはご了承ください)。

最後の最後、衝撃的なラストシーンでトム・ヨークの歌声が入った『Unmade』が流れるのですが、鳥肌が止まりませんでした。
ラストのバイオレンスシーンに癒しがあると前述しましたが、トム・ヨークの美しい歌声によってさらに痛みが消化し、癒しへと変わっていくんです。
もう涙モノです。

『Unmade』を聴く度にラストシーンが頭に浮かび、放心してしまします。

映画を鑑賞する前にサントラだけでも聴いて気分を盛り上げてみてください。

まとめ

「オリジナル版からはかけ離れた全く別の作品だ」とか批判も多くある今作ですが、個人的には最高の一作でした。

見終わった後は誰もが良い意味でも悪い意味でも「エラいもん観てしもた・・・」と思うと確信していますが、この体験は21世紀で中々できないんじゃないかと思っています。

今は『ゲット・アウト』のような革新的なホラーが続々出てきていますが、それとも一線を画すような恐怖体験が味わえます。

だからと言って誰しもにオススメできるほどの大衆向け作品ではありませんが、今までのホラー作品に飽き飽きされている方、そしてレディオヘッド好きの方にはぜひおすすめしたい作品です!

ぜひ劇場でご覧ください!

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★リメイク版『サスペリア』の話が何度も浮上しては消え・・・その中で主人公を演じる予定があったのがナタリー・ポートマン。
『ブラック・スワン』ではスージーに負けないくらいの狂気に満ちた役を演じています。

 

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