「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが主演を務め、ボリビアのジャングルでの壮絶な遭難体験をつづったヨッシー・ギンズバーグの著書「JUNGLE」をもとに映画化したサバイバルスリラー。
共演に「クロニクル」のアレックス・ラッセル、「戦場のピアニスト」のトーマス・クレッチマン。「マンイーター」のグレッグ・マクリーン監督がメガホンをとった。
ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2018」上映作品。
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映画『ジャングル ギンズバーグ19日間の軌跡』概要・あらすじ・キャスト
あらすじ
1981年、刺激のある人生を求め旅するバックパッカー、ヨッシー・ギンズバーグ(ダニエル・ラドクリフ)。彼は2人の友人とガイドと共に、ボリビアのジャングル奥深くにある先住民が住むと言われる秘境の地を目指す。しかし、険しいジャングルを進むうちに、友人の怪我、意見の対立などからグループ内に争いが始まり、4人は2組に分かれて行動することになる。しかし、あるトラブルが起こり、ヨッシーはジャングルにたった1人取り残されてしまう…。ヨッシーは、ジャングルに潜む野生生物や自然の脅威に晒され、さらに孤独な闇夜を過ごすことで肉体・精神ともに追いつめられていく。そして、最後は自分との闘いに・・・。果たして、彼の運命はーー。(Amazonより)
監督
グレッグ・マクリーン
原作
ヨッシー・ギンズバーグ(ダニエルが演じた主人公本人)
キャスト
ダニエル・ラドクリフ:ヨッシー
平凡な人生から抜け出すため、ボリビアの密林にやってくる。街で出会った謎の男カールに誘われて「失われた部族」を探すための旅に出るが・・・。
アレックス・ラッセル:ケビン
現地でヨッシーと知り合い、旅をともにする精悍な写真家。カールやマーカスとぶつかり、ヨッシーと二人で別行動をとる。
ジョエル・ジャクソン:マーカス
現地で知り合ったスイス人教師の青年。優しい男だが弱々しく、足を痛めたことで3人についていけなくなる。ヨッシーとケビンと別れ、カールと行動をともにするが・・・。
トーマス・クレッチマン:カール
現地で突然「失われた部族」を見せてやると声をかけてきた、謎の多いガイド。
映画『ジャングル ギンズバーグ19日間の軌跡』感想
事実は小説よりも超怖い
こんちゃ!アサミヤです。
今回取り上げるのは、今年の「未体験ゾーンの映画たち2018」でのみ国内上映されたなかなかマイナーな作品で、三月下旬からレンタルやストリーミング上映が始まったばかりです。
なんかダニエル・ラドクリフがアマゾンで遭難してやべーことになる映画らしい、程度の予備知識で鑑賞したのですが、、ていうか実際そういう映画だったんですが、
最後の最後にものすごいゾッとする「事実」が明らかになります。その詳細は後ほど・・・。
ストーリーとしては、まぁ事実を元にしたものですので、そんなにいろんなことが起こったりするわけではありません。しかしながら壮絶・・。
簡単に言えば、ダニエル・ラドクリフ演じる主人公ヨッシー・ギンズバーグが、友人と(怪しい)ガイドの白人男性ともにアマゾンの奥地へ未開の民族を探しにいき、なんやかんやで彼らはケンカ別れし、その後川で激流に飲まれて転落したヨッシーが途中気が狂いそうになりながらも一人で19日間アマゾンの密林をさまよって生還する、という話です。
特筆すべきはダニエル・ラドクリフの壮絶な演技!
This is ダニエル・ラドクリフ
好きな俳優はたくさんいますが、真の意味で「好感の持てる」俳優さんというのは希有なもので、私にとってのそれは、日本では山田孝之、海外ではダニエル・ラドクリフです。
なんか、似てますよねこの二人。男前なのに個性的。小さい頃から活躍し続け、すごい実績を残したかと思ったらいつのまにか変な作品に登場するようになり、あと、体毛が濃い。
マコーレーカルキンくんみたいにならなくてよかったね。
BEFORE
AFTER
まぁ、ダニエル・ラドクリフ自身も18歳から数年間アルコール依存症に陥っています(現在は禁酒し克服)。
余談ですが、私の中で彼と同様に応援したくなるのが、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで主演した、イライジャ・ウッド。
実は彼も上記の大作出演後、多くのB級映画に出演し、時にはB級映画の制作までしています。
2014年のイライジャ主演ドB級作品についてレビューしていますのでそちらもチェック!
ダニエル・ラドクリフの出演作
メガネをかけて魔法を使っていたキュートな彼も今は昔。すっかり体毛がボーボーになった最近では一風変わった役柄で見かけることが多いですね。
キル・ユア・ダーリン(2013)
ビートニク文学の旗手でゲイであるアレン・ギンズバーグ役を演じ、男性同士の濃厚なキスシーンが話題になりました。
ホーンズ 容疑者と告白の角(2013)
なんか角生えとる・・・。スティーヴン・キングの息子である作者のジョー・ヒル原作を映画化したもので、”ホラー小説の歴史を変える傑作”と称されています。
スイス・アーミー・マン(2016)
「ダニエル・ラドクリフなにやってんの!?」と世界中が驚愕したこの話題作ではなんと死体役。スイス・アーミーナイフのようになぜかたくさんの便利機能がある死体役を見事に演じきっていました。
実はこの作品、アサミヤの2017年ベストムービーです。本ブログでもレビューしていますので是非ご覧ください。
本作での壮絶な演技
もう、いかにすごいか、このスクショを見てもらえばわかるんじゃないでしょうか。
これが
こうなって
こうなります
ダニエルさん、本作でのガリッガリにやせたヨッシーを演じるために、とてつもない減量を行ったのだとか。
デ・ニーロ・アプローチではデニーロ本人やクリスチャン・ベイルなんかが有名ですが、このダニエル・ラドクリフも負けてはいないのでは・・・。
また、演技自体もすごい。
痛みにのたうち回ったり、孤独と恐怖に気が狂いそうになったりする絶望が、ものすごくリアルに伝わってきます。そしてどんなに汚れても、異様なまでの光を讃える彼の緑色の目。
世の中には「主人公」になるべく生まれてきたような選ばれた人間っていうのがいるような気がしてます。
ダニエル・ラドクリフから発せられる圧倒的「主人公感」が、この映画をただのサバイバル・スリラーではなく、「人間」に迫ったものにしていると思います。
衝撃のエンディング ※ネタバレ注意
ラストシーンで、先に救出されていたケヴィンによってヨッシーが命からがら救出されて、エンディングとなります。
が!!
ここからが怖かった!
もちろん前述の通りこの物語は事実を元にしています。じゃあ、途中で別れた友人のマーカスとカールはどうなったんだろう?と、私たちは当然思うわけです。無事に到着してて、「おかえり!」とかあるのかな、と。
ラストシーンが終わり、エンドロールが流れるかと思ったら、ある文章が画面に映し出されます。
ヨッシーとケヴィンがラパスへ戻ると マーカスとカールの姿はなかった
ケヴィンは数週間かけて捜索したが 2人が見つかることはなかった
その後 カールが当局に追われていたことが判明
失われた部族も存在しなかった
彼がヨッシーを選んだ理由や なぜジャングルへ誘ったかは分かっていない
なんと・・・事実として、実は、マーカスとカールは現在もそのまま行方不明なのです。
相当ゾッとしました。壮絶なサバイバルを見た後サラッとこれが出てくるものだから、余計に。ていうか、思いました。
むしろそっちが気になるわ
そっちを映画化しても良かったんじゃないか!?とおもいつつも、本当に行方不明なのだから仕方がないですよね。
これぞまさに「事実は小説よりも奇なり」いや、「事実は小説よりも超怖い」ですね。
このモノローグの後、淡々と実際の本人たちの当時の写真が流されます。本当にこのマーカス本人が、あのまま行方不明になったのか、と思うと胸が締め付けられます。
だってマーカス、みんなの足を引っ張っていることを分かっていて「こんなことで僕を嫌いにならないでくれ」とか言って泣いてたんですよ。
ヨッシーも「戻ったら全部元どおりだ」って言って別れたんです。
切な!! そして怖!!
まとめ
ジャングルの壮絶なサバイバルの中で、恐ろしいことが次々とヨッシーに襲いかかります。その怖さったら、心理的にもかなりキますし、虫に苦しむ姿は相当グロい。
アサミヤは常日頃ゾンビやらホラーやらをよく見ますが、そういうフィクションの中での恐怖感とはまったく違う、リアルに精神を病みそうになる恐怖を感じました。
とにかく、アサミヤの感想は
ジャングルこええ
虫マジ無理
マーカスまじカワイソス
といったところです。
エンタメ映画的なハラハラドキドキとはまた違った、リアルな恐怖を味わえる作品でした。
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★一人でサバイブする映画っていったらやっぱりコレだよね〜。
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