概要・キャスト
概要
『シャドウ・イン・クラウド』(Shadow in the Cloud)は2020年のアメリカ合衆国・ニュージーランドのサスペンスアクション映画。監督はロザンヌ・リャン(英語版)、主演はクロエ・グレース・モレッツ。第二次世界大戦中のニュージーランドを舞台に、大型爆撃機に取り付いた空の魔物「グレムリン」と女性空軍大尉の死闘を描いている。(Wikipedia)より
キャスト
クロエ・グレース・モレッツ
ニック・ロビンソン
カラン・マルヴェイ
感想
戦時下で輸送機に突如に乗り込んできた自称空軍のギャレットはある荷物を運ぶ指令を受けていた。
目的地へ向かう中、彼女は敵機と共に恐ろしい影を目撃する。
クロエ・グレース・モレッツが大人になった。
『ペリフェラル』でもそう思ったけど、今作でもそれは印象付けられた。
特に男性ばかりの乗組員の中で好き勝手言われる中、
それを撥ねつけるように罵声を浴びせる姿。
そして空上に現れるモンスターから荷物を必死に守ろうとする姿。
どうしても頭から離れない『キック・アス』の幼い姿とは違って、
大人の強さとアクションを見せてくれる彼女。
一人で敵と対峙する姿には、ヒーローでありながら周りに守られる存在であった『キック・アス』の彼女はもういない。
立派になったなぁ、と妙に親心を抱いてしまった。
そして肝心の内容だが、日本軍、上空2500mに現れるモンスター、男性社会、と一見チグハグな要素が散りばめられながら、それらを上手く絡ませてエンタメとしても楽しめる作品になっている。
前半はほぼクロエちゃんの一人芝居でありながら、会話と窓の外に見える状況だけで十分物語に惹きつけられるし、スピードアップする後半のアクションも見どころ満載。
彼女が必死で守ろうとする荷物の中身や、謎に包まれた彼女自身の素性など、真実が明るみになるにつれて物語は二転三転していくので全く飽きることがない。
たくさんの散りばめられた要素からは「男性社会へのアンチテーゼ」というテーマが垣間見えるのだけれど、それは正直押し付けがましくて個人的には目を瞑りたいところ。
最近観た『ラン・スウィートハート・ラン』しかり、男性社会をぶちのめす系の作品って時代的に増えてきてもおかしくはないんだけど。
LGBD問題も含め、メディアによる多様性や個性というものの押し付けがひどいのでは・・・と思っているけどそれは個人的見解なんでそっとしといて下さい。
どうやら脚本家が性的スキャンダルで降板してから、女性監督であるロザンヌ・リャンがジェンダー色が強い方向に物語を変えたらしいんだけど。
後半に差し掛かってから、というか、モンスターが現れた時点で女性監督かなぁと思っておりました。
明らかにモンスターの描かれ方が何かのメタファーだし、モンスターと対峙するクロエちゃんが異常に強いからね。
女性は強いんだ!というメッセージが好きな人にはめっちゃ突き刺さるかも。
ということで、男性社会への風刺も描かれながらパニックものとしてもちゃんと楽しめる作品としては前述した『ラン・スウィートハート・ラン』も同じだけど、クロエちゃんの成長も見れるということでより一層感慨深く、思いも強まる一作になっています。
ぜひご覧ください。
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