映画『キャビン・フィーバー』(2002)レビューとイラスト

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映画『キャビン・フィーバー』概要・あらすじ

概要

キャビン・フィーバー』(原題:Cabin Fever)は、2002年制作のアメリカ合衆国のホラー映画。

イーライ・ロスの長編デビュー作で、ロス自身が19歳の時に皮膚病に感染した体験を基にしている。タイトルの意味は、僻地や狭い空間で生じる異常過敏症のこと。(Wikipediaより)

あらすじ

卒業を間近に控えた5人の学生ポール、カレン、ジェフ、マーシー、バートは、学生生活最後の夏休みを楽しむため、森の奥にあるキャビンを借りる。

だが、彼らがパーティーを開いている最中に、血だらけの男が突然乱入してくる。5人はパニックになりながらも、なんとか男を追い払ったが、その翌日、カレンの身体の皮膚が膨れ上がり、やがて爛れて血があふれ出てきた。4人はカレンを必死で看病するが、症状はどんどんひどくなっていく。

やがて残りの4人も、お互いに他にも誰か感染しているかもしれないという恐怖と疑念を抱き始め、それがパニックを引き起こす。Wikipediaより)

映画『キャビン・フィーバー』感想

イーライ・ロス監督の長編デビュー作。

B級ホラー好きとして何故今まで観なかったんだとバッシングを受けそうですが(?)、エログロ全開な『ホステル』がとっても苦手で『グリーン・インフェルノ』も飛行機が不時着して食人族に連れ去られるシーンで何度もギブアップしてしまっている私。

イーライ・ロス監督作品の、人間の嫌な部分が血糊の量と比例するかの如く増幅していく展開が私の心を抉るのですよね。

ただの娯楽スプラッターではなく風刺たっぷりな内容だからこそ評価されているのはわかるのですが、たぶん、普通に良い意味で「気色悪い」と思ってしまう私なのです。

今作も例に漏れず、というより、長編デビューということで気合い入りまくってるなぁ・・・と思えるほど本当「気色悪い」(褒めてる)。

若者たちが山奥のロッジに現れた皮膚病に感染した男性を助けもせず、むしろ焼き殺してしまう残忍さ、仲間が感染しても無慈悲に別宅に閉じ込める差別的な態度、彼らの助けを無視してパーティ三昧な保安官(←いちばんの肝)。

いやぁ、人間のいや〜なところが全開で、こうやって戦争は巻き起こっていくんだろうなぁなんて思ってしまいました。

前半はじっくりと人間の嫌なところを見せつつ、後半の怒涛の血糊の嵐も胸にくる。

視覚的にも精神的にもグロさを追求しているイーライ・ロス監督、あんた何者だよ。

こんだけ「気色悪い」と思えるのに嫌いになれないのは、抜かりないグロ表現に本気を感じるからなのでしょうね。

観客を信じて全力でぶつかってきてくれているような、気合を感じるのです。

今作の『悪魔のいけにえ』のようなシュールな狂人像と、『2000人の狂人』のような牧歌的ラストにホラー愛も感じるし(ちなみに『2000人の狂人』のリメイク作品である『2001人の狂宴』にイーライ・ロスは関わっておられます)。

悪趣味全開、だけど風刺が効いた心に残る傑作。

ぜひグロ耐性ある人はどうぞ。

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タイトル通りゴアが好きな人はどうぞ。

アサミヤカオリ

イラストレーター/造形作家/映画コラムニスト/漫画家

大阪出身。
2018年より徳島に拠点に移して活動中。

AWAP『映画コラム』/ BRUTUS『赤恥研究所』連載中
B級映画/ラジオ/観葉植物好き。最近は20時半就寝4時起きで制作がんばってます。メキシコ行きたい。

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