映画『プラットフォーム』レビューとイラスト※ネタバレなし

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映画『プラットフォーム』概要・あらすじ

概要

スペインの監督、ガルデル・ガステル=ウルティアの長編初作品となるSF。中央に穴が空いた不気味な部屋で目覚めた男が、そこからの脱出に挑む。『ミリオネア・ドッグ』やドラマ「わが家へようこそ」などのイバン・マサゲ、『オール・アバウト・マイ・マザー』『靴に恋して』などのアントニア・サン・フアンらが出演する。シッチェス・ カタロニア国際映画祭のオフィシャル・ファンタスティック・コンペティション部門で最優秀作品賞などを受賞した。(Yahoo!映画より)

あらすじ

中央に四角い穴の空いた謎の部屋で目を覚ましたゴレン。そこは塔の「48階層」であり、上下には無数の階層が続いていた。ゴレンは、同じ階層に暮らす老人トリマカシからここでのルールを聞かされる。それは、階層は1か月ごとに入れ変わること、食事が取れるのはプラットフォームと呼ばれる台座で上の階層から順番に降りてくる残飯が自分の階層にある間だけというものだった。1か月後、ゴレンは「171」階層のベッドに縛り付けられた状態で目を覚ます。(Yahoo!映画より)

映画『プラットフォーム』感想

地獄のように下層が続く穴、それぞれの階層に作られた部屋、穴から降りてくる台座の食事、下層に行くほど食事にはありつけなくなるシステム。

そんな謎のB級設定に心躍らせながら鑑賞したのですが、
これが資本主義社会への風刺や聖書の内容を色濃く反映した大真面目な作品でした。

「0階」から降りてくる台座の食事は上層の人間がほとんど食い尽くしてしまうという構図は
現代の社会システムを表現しているし、
りんごや階層の数字から連想される「666」、
「私の肉を食べ私の血を飲む者には永遠の命があり、私はその人を終りの日に蘇らせるであろう」といったセリフはまんまキリスト教を反映した内容で、
気軽に手を出してはいけない系のSF作品でしたね。

残酷描写や残飯の汚らしさも気持ちのいいもんではないし、
主人公に絡んでくる下層の人間はろくな奴がいないし、
人間社会の汚らしさを濃縮した超こゆーーーい青汁飲んだみたいな後味。

だけど、最後はなんとなく希望のようなものを提示しながら、
それでいて本当は何も変わっていないのじゃないかとも思える描写で、
鑑賞した人それぞれが抱く社会への希望、絶望によって変化する結末で興味深かったです。

私はまるでユニセフのCMを見ているような気分でした。
世界の裏側ではたくさんの子供が飢えていて、その現状を打ち出した広告を目にすることで私たちはハッとするけれど、
テレビを消してしまえばまた元の現実に戻り、結局世界を変えるには至らない・・・
そんな虚しい現実を思いました。

もちろん、一人でも多くの人間が何かしら行動に移すことで子供たちは救えるし、
もしかしたらこの映画がそのきっかけになるかもしれない。

そんな希望を孕んだ作品であってほしいなぁ、なんて人ごとに思ったりして。

まずできることは、十分に事足りるだけの食事をとること、かな。
多過ぎず、ちょっと少ないくらいのご飯で生きるのがちょうどいい。
みんながそうすればきっと、救える子供の命があるはず・・・だといいなぁ。

コメント

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