映画『クライマックス』(2018)レビューとイラスト※ネタバレなし

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映画『クライマックス』概要・あらすじ

概要

「カノン」「アレックス」「LOVE 3D」などさまざまな問題作を手がけてきたフランスの鬼才ギャスパー・ノエが、ドラッグと酒でトランス状態になったダンサーたちの狂乱の一夜を描いた異色作。
「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」のソフィア・ブテラ以外のキャストはプロのダンサーたちが出演し、劇中曲として「ダフト・パンク」「ザ・ローリング・ストーンズ」「エイフェックス・ツイン」などの楽曲が作品を盛り上げる。(映画.comより)

あらすじ

1996年のある夜、人里離れた建物に集まった22人のダンサーたち。有名振付家の呼びかけで選ばれた彼らは、アメリカ公演のための最終リハーサルをおこなっていた。激しいリハーサルを終えて、ダンサーたちの打ち上げパーティがスタートする。大きなボールに注がれたサングリアを浴びるように飲みながら、爆音で流れる音楽に身をゆだねるダンサーたち。しかし、サングリアに何者かが混入したLSDの効果により、ダンサーたちは次第にトランス状態へと堕ちていく。(映画.comより)

映画『クライマックス』感想

『メランコリア』『ハウス・ジャック・ザ・ビルト』のラース・フォン・トリアー監督
『ミッドサマー』のアリ・アスター監督など、観賞後に心に傷が残るような作品を産み出す「トラウマ監督(勝手に命名)」が何人かいるのですが、
ギャスパー・ノエ監督がその中に見事チャートインされました。

彼は今回ご紹介する『クライマックス』の監督ですが、
過去にモニカ・ベルッチが暴行を受けるシーンを10分もの長さで描写した『アレックス』(2002)や『LOVE3D』(2015)などの作品で世界中に衝撃を与え物議を醸してだしている、結構ヤバ目なお方です。

そんな監督だとはつゆ知らず、話題になってた作品だから観ようぜ!と旦那を誘って鑑賞したんですがね。
夫婦で観たことを後悔しましたね。

旦那はグロや胸糞な作品が嫌いな人で(私は比較的平気ですが)、途中退場されました。

グロはほとんどないんですが、我々夫婦に子供できてからというもの、
子供が巻き込まれる系の作品を一切受け付けなくなってしまいまして。

ちょっとネタバレになってしまうかもしれませんが、今作も子供がちょっとかわいそうな目に遭うので
精神的に耐えられないという、個人的な理由がありまして。

まぁ子供だけでなく、ドラッグの世界に堕ちていく人間の様は普通の人でも観るに耐えないとは思われます。
人によってはトラウマ作品になりうるのでご注意を。

 

オープニングの「いつ終わんねん」と突っ込みたくなるダンサーのインタビュー映像から、
激しいダンスシーンに続く長回しがすでにカオスな世界観を醸し出しているのですが、
結構関係なさそうな発言や会話が後に響いてくるのでしっかり物語に入りたい人は耳を傾けておいた方がいいかも。

正直「どうでもええわ!」とこれまた突っ込みたくなるど下ネタな会話が永遠続くシーンは、
夫婦としてどんな顔で観たらいいのかと悩みましたよ。
それもダンサーたちの後々の繋がりに響いてくるんで決して無駄ではないんですけどね。

なんとダンサーたちは主役のソフィア・ブテラとDJをのぞいて全くの素人で、
セリフはほとんどアドリブなんだって。
それがしっかりストーリー上でもいきてきてるんだから、どうやって演出・編集したのかものすごく気になるところ。
長回しも多用されているから、相当な緊張感もあっただろうに。

ダンサーたちの完成度の高いまとまったダンスとナチュラルな演技、
その後の地獄絵図のギャップがとてつもなく胸糞でもあり、ちょっとしたカタルシスでもある。

初っ端に流れるエンドクレジットやフォントが凝りまくったクレジットタイトル、
どーーーんと画面いっぱいに現れるタイトルクレジット・・・
長回しや一風変わったカメラワークを含め、すごく凝り性で観客を楽しませようという意欲的な監督なんだぁと今作を観て思った次第。

だから内容的にはとってもいやーーな気持ちにはさせられるんだけど、
監督の心意気が伝わってきて嫌いにはなれない一作なのです。

ダンスシーンもめっちゃアガるから、そこだけループで何度も観ちゃうし。
ダフトパンクも参加してる音楽もトランス状態になれるから、ちょっとトリップしたいときにおすすめ。

でも夫婦では観ない方がいいよ。

コメント

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