映画『キラー・メイズ』イラストレビュー

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『キラー・メイズ』感想

90点

こんちゃ!アサミヤです。

今回ご紹介するのは、『巨大迷路を作ったら、意思を持って人を襲う人食いダンジョンになっちゃった』とラノベ的タイトルを付けたくなっちゃうB級ホラーファンタジーです。

本当、その通りな内容なんですが、今作の評価すべき点は手作り感。
今時珍しいくらいにCGなしのダンボールダンジョンが手作り感満載で、かつセンスが溢れているギャラリーのような出来なのです。

スタッフさんの情熱だけで出来ているような、画面から溢れんばかりの創作意欲と熱量がすごいんですよ、この映画。

ある日家に帰ってきたアニーは、恋人のデイブが家の中に巨大迷路を作り、3日間も出れなくなっていることを知る・・・という馬鹿げた始まりですが、このオープニング画面もダンボールチックなレイアウトで素敵。

デイブの話を聞きつけて、わらわらと集まりだす知人にテレビ局、なぜかホームレスまで。
彼らに絶対中に入るなと警告するデイブですが、ついに救出作戦に出たアニーを筆頭に中に入っていく面々(ホームレスは一人残って家の中の食べ物を物色)。

そこには外からは想像もつかないほど広く複雑な迷路が広がっていて、さらに人を襲うトラップも仕掛けられていて・・・。

初めはのほほんと迷路を楽しんでいた彼らも、ついに死者が出て危機を感じ始めるのです。

しかしね、この死者が初めて出るシーンには度肝抜かれましたね。
首チョンパするんだけど、首から紙吹雪が出てくるっていう素敵な表現なんだもの。

人の頭が吹っ飛ぶシーンでこんなに感動したのは『キングスマン』以来です。
あの花火首ちょんぱシーン、美しかったですよね(未見の方はぜひ)。

 

このダンボールダンジョンは制作者である売れない芸術家デイブの想像したことが反映されているようで、紙吹雪血飛沫以外にも、エイムズの部屋みたいな錯覚部屋や、人を誘惑するでっかいでっかいヴァ○ナがある部屋など、魅惑的な部屋がたくさん登場します。

中でも、そこに入ったらがダンボール人間になっちゃう部屋は最高にキュートで、ぜひそれだけのアニメ作品作って欲しいくらいです。

ストーリーとしてはなんでダンボールダンジョンが意思を持っちゃったのかとか、なんで唐突にドキュメンタリーの撮影が始まってんねんとか、突っ込みどころはありますが、監督の創作意欲の高さだけで私は満点付けたくなっちゃいます。

面白い、と思うと同時に嫉妬すらするほどですよ。

もし自分が監督になったらやりたかったであろうことを先にやられたな、って感じです。

昔の特撮ものが好きな方は絶対にハマるはず。

ぜひ子供の頃の純な目と心で観てね。

アサミヤカオリ

イラストレーター/造形作家/映画コラムニスト/漫画家

1983年生まれ。大阪出身。
2018年より徳島に拠点に移して活動中。

AWAP『映画コラム』/ BRUTUS『赤恥研究所』連載中
B級映画/ラジオ/観葉植物好き。最近は22時就寝5時起きで制作がんばってます。メキシコ行きたい。

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コメディホラー90点以上B級
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