映画『tick, tick…BOOM! チック、チック…ブーン!』レビューとイラスト

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キャスト・概要・あらすじ

キャスト

・アンドリュー・ガーフィールド

・アレクサンドラ・シップ

・ロビン・デ・ヘスス

概要

大ヒットミュージカル「イン・ザ・ハイツ」「ハミルトン」などの原作者として作詞や作曲なども手がけ、ディズニーアニメ「モアナと伝説の海」では音楽を担当するなど、現代ミュージカル界を代表する才能として知られるリン=マニュエル・ミランダの長編映画初監督作。名作ミュージカル「RENT レント」を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝ミュージカルを映画化した。(映画.comより)

あらすじ

1990年のニューヨーク。食堂のウェイターとして働きながらミュージカル作曲家としての成功を夢見るジョナサンは、オリジナルのロックミュージカルの楽曲を書いては直しを繰り返していた。もうすぐ30歳を迎え、これまでともに夢を見てきた仲間たちも現実に目を向け始め、焦りを覚えるジョナサン。自分の夢に価値はあるのか、時間を無駄にしているだけではないかと自らに問いかけながらも、時だけが過ぎていき……。映画.comより)

感想

もうすぐ30代に突入するミュージカル作家を目指すジョナサンの焦り。

このまま何もできずに人生は終わってしまうのではないか。

もうすぐお披露目の新曲も全く手付かずで、彼女のスーザンともまともに向き合って話し合えない。

仕事はウェイターのアルバイト、公共料金もまともに払えない状況。

あぁもうこれは親に「あんた早くまともに就職して働きなさい!」って言われる状況じゃないか。

このジョナサンの境遇に「わかるわーー」って胸を締め付けられる人、結構いるんじゃないかな。

例え就職していたとしても、「本当にこれが自分がやりたかったことなのか」と疑問を持っていたり、結婚できない焦りであったり、自分は何も成し遂げられていないという気持ちに苛まれることって誰しもがあるでしょう。

私ももうすぐ40代。ジョナサンに心の中で「まだまだはじまりやでー!」と羨ましい声を上げながら、たぶんいくつになっても節目となる時期に焦燥感に駆られるのが人間なんだろう、と思ったり。

ほれ、「残りの人生の内で今日が一番若い」なんて言葉あるじゃないですか。

それですよ、結局。

何を始めるにも今日が一番若いんだから、遅すぎるなんて思わなくていいんすよ。

やりたいことをやるだけなのさ。

夢を諦められない人や人生に疑問を持っている人は、絶対背中を押される作品です。

でも、そんな陳腐な言葉で収まるだけの作品でもないのです。

アンドリュー・ガーフィールドの歌声も心揺さぶるし、ミュージカル作品としての出来が素晴らしい。

よくあるミュージカル映画は普通に会話をしていたと思ったら急に歌い出したりして、まるでフラッシュモブのような小っ恥ずかしさを覚えることがあるけれども、今作は歌のパートとストーリーのパートがメタ構造のように分離しているのでミュージカルに慣れていない日本人でも入り込みやすい。

そしてエモーショナルでポップな歌声とは裏腹に、淡々とドライに進むストーリーのギャップも良い。

1990年代のエイズ問題も背景にありながら、簡単に”死“や”病“でお涙頂戴演出をしない点も好感触。

「考える前に行動しろ」

そんなテーマを押し付けがましくなく心に残してくれる余韻で、自然と目頭が熱くなるぜ。

ジョナサンは後にミュージカル『RENT/レント』で知られることになるんだけれども、映画にもなっているからそちらも要チェックやで。

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