全てのゾンビ映画はここから始まった! 映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』レビューとイラスト ※ネタバレあり

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ナイト・オブ・ザ・リヴィング・デッド 1
 
88点

こんちゃ!アサミヤです。
今回ご紹介するのは『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』

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父の墓参りの途中、バーバラと兄のジョニーは生ける屍(ゾンビ)に襲われる。兄を殺された恐怖と悲しみの中、バーバラは近くの民家に逃げ込む。民家には黒人青年のベンのほか、若いカップル、中年夫婦と大怪我を負ったその娘が集まってくるが、外部との連絡も取れないまま、周囲はゾンビの群れに取り囲まれていた。ドアや窓を塞ぎゾンビの侵入を防いだうえで脱出の方策を探るベンに対し、地下室に籠ることにこだわるハリーが対立する。ゾンビたちが人間を食い殺していることをテレビで知ったバーバラたちは、最寄りの避難所への脱出を試みる。(wikipediaより)

ご存知、ジョージ・A・ロメロ監督のデビュー作です。

あまりにも有名な作品なので沢山の解説が世に出回ってるでしょうから、深い考察とかではなくアサミヤの感想をお話しさせてもらいますね。

何がすごいってこの映画、現代のゾンビ像を作り上げたゾンビ映画の金字塔なのですよ。

ゾンビのイメージといえば「人間に襲いかかる」「人肉を食べる」「頭を撃つまで死なない」「噛みつかれると感染する」ですよね。

実はロメロ監督が今作を作る前にもゾンビは存在していたのですが、ブードゥー教から発生した”人間に仕える奴隷”としての姿でしか描かれてきませんでした。
死者は死者でも人間にとって脅威となるかどうかが大きく違っていたのです。
それを先に挙げたゾンビの条件なるものをロメロ監督が作り上げ、定説化していったのです。
いわばゾンビの生みの親ですよ。

でもロメロ監督は決して”ゾンビ”を描きたかったのではなく、新たなるモンスターを作り出そうとしただけだったのが、この映画を観た観客たちが「これはゾンビだ!」と言い始めた為に、ロメロ監督も仕舞いには「うん、ゾンビでいいんじゃない」と言っちゃったってのが面白いんですよね。

低予算ながら、熱意を感じる作り込みやホラーを一層盛り上げる要素など見所は沢山もあって、映画としての評価も高い作品です。

映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』見所ポイント

低予算だからこそ生み出された傑作

1280万円という映画制作費としては低予算で作られた今作。
全編白黒なのですが、それも演出上なのではなく、低予算だからだそうです。

よく低予算でも面白いと言われる作品はありますが、一つの家に立てこもる状況が永遠続く中、ゾンビと戦うシーンより人間同士のいざこざやニュース報道の映像が大半を占める構造だけで面白いと思わせるのも凄技。

いや、”技”というより”熱意”にやられた感があります。

わざと不安感や恐怖を煽る為に画角を斜めにしたり、大げさなくらいのオーケストラ音楽といったわかりやすい演出もあるのですが、
それ以上に恐怖を煽ってくるのがしつこいくらいのヒロインの描写。

冒頭でゾンビに襲われるのがヒロインのバーバラなのですが、背後にゾンビの姿がなくなっても必死の形相で逃げる逃げる。
やっと家に逃げ込んだと思っても、壁に掛けられた動物の剥製にビビるビビる。
そして離れ離れになってしまった兄を想ってヒステリックにわめきだす。
これらのシーンが過剰と思えるほど執拗に描かれるわけです。
低予算故に凝った特殊メイクもなく(ゾンビはほとんど素顔のまま)、派手なアクションもないのですが、
ヒロインが恐怖に悶えるシーンを執拗に描くことで画面から恐怖がにじみ出てるのです。

ホラーの要素って、ただお化けやモンスターが「わっ!」と脅かしに来ることじゃなくて、それを見て恐怖におののく人物を描くことだと思います。
その真髄を描いているロメロ監督は、本当にホラーが好きなんだなぁと思いました。
ただ、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』に続く『ゾンビ』を観ていると、予算に余裕ができた分演出が雑になってるなぁと感じる部分が多々あったので、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』がどうしてこんなにもホラー映画として傑作になったかと考えると低予算だった故なんじゃないかと思えてきます。

映画の良さは予算じゃない、熱意だってことがわかるとても良い例だなとアサイラムにも伝えたい気持ちでいっぱいです。

黒人が主役なのは時代の象徴?

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』でよく取りざたされるのは、”黒人差別問題”。

ヒロインが家にたどり着いてから出会うのが黒人であるベン。
彼が実質の主人公なのですが、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』が公開された1968年という年代を考えるとベトナム戦争や黒人差別への批判が盛り込まれているようにも思えます。

実際、ベンは最後まで生き残るたった一人なのですが、ゾンビ狩りをしにきた白人たちにあっけなく頭を撃ち抜かれて死んでしまうのです。

もろ白人至上主義の様相が見えるのですが、果たして本当にロメロは批判的な目で描こうとしたのでしょうか?

アサミヤ個人的な意見では、否、です。

黒人を主役にしたのはただただ演技が良かっただけだとロメロ自身が言っていますし、結局は新たなるモンスターを”ゾンビ”と周りが定義付けたように政治批判や差別問題をこの映画に見るのも観客の勝手なんだと思います。

ロメロの姿を観ていると実感しますが、ただただホラーやモンスターが好きな少年のように無邪気なおじさんだったんじゃないでしょうか。
ニコニコしているロメロの写真を観ていると、とても批判を盛り込むような監督には見えませんし。

きっとゾンビを愛し、ゾンビに愛された人だったんでしょね。


ゾンビ映画の金字塔。

最近のゾンビブームでゾンビ映画を観るようになったゾンビ初心者の方、”今さら手が出ないなぁ”とか思わないで。

ここには今いるゾンビの全てが詰まっている。

これを観ずにハロウィンでゾンビコスプレなんかしてんじゃないよ!!

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★『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のリメイク版。ロメロの朋友であるトム・サヴィーニが監督を務める。

コメント

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