『ゾンビー』概要・あらすじ・キャスト
概要
刺されたらゾンビ化する殺人蜂の恐怖を描くモンスター・パニックホラー。(Amazonより)
あらすじ
ロサンゼルスを災いが襲い、街は無法地帯と化した。恐怖に怯えながら、必死に”世界の終末”から逃れようとする住人たち。だが、その原因は分からず調査を進めていく中で、ついにハチの異常発生が世界のいたるところで起こり、ハチの大群が人を襲っていることが解ってくる。そのハチの大群を率いる女王蜂こそ、人類の怒りを具現化するために地上に現れた破壊神だったのだ・・・!(Filmarksより)
監督・脚本
ミルコ・デイビス
キャスト
●ルセリス・アウミーン・ペリー:JB
L.Aのギャング。
ミルコ・デイビス監督作品の『ゾンビ・レックス』にも出てたらしい(覚えてない)。
●マリア・デコステ:チカ
JBの妹。かわいくない。おぱいはでかい。でも脱がない。
●ステイシー・ペダーソン:リンジー保安官
JBたちと出会い行動を共にすることになる保安官。
セクシー担当かと思いきや、ただのかき回し的存在。すげー邪魔。
●チャーリー・アリゲン:タブス
JBとチカと行動を共にするギャング。スティーブ・アオキ風。
●シェール・ル・ページ:ジェシー
リンジー保安官と行動を共にしていた男性。めっちゃ気弱。
『ゾンビー』感想
6点
数少ない褒めポイント
こんちゃ!アサミヤです。
今回ご紹介するのはゾンビ蜂が人間を襲う『Zombee〜最凶ゾンビ蜂襲来』。
「Zombie」と「Bee(蜂)」を掛け合わせたタイトルが何とも素晴らしいネーミングセンスですね。
「Zoo(動物園)」と「Zombie」を掛け合わせた「Zoombie(ズーンビ)」を想起させますね。
でも原題は『Tsunambee』。
ツナ・・・・ンビー?
きっと津波のようにゾンビ蜂が襲いかかってくるということを言いたいんでしょう。
微々たる差ですが、今回は邦題に軍配が上がりましたね。
さて、肝心の作品の内容ですが、ゾンビ蜂に刺された人間がゾンビ化するという、
一風変わった素晴らしいアイデアですね!
はい!
良かった点は以上になります!ありがとうございました!
もう苦行でしかなかった!!!
なんてったって、監督は『ゾンビ・レックス』のミルコ・デイビスですからね。
『ゾンビ・レックス』のときもそうでしたが、ミルコ・デイビス監督の魅力はなんてったってその天性の雑さ!
彼はいつも私たちに修行の場を与えるがごとく、素晴らしく退屈で褒めるところの無い映画を提供してくれます。
今回も本当にわけが分からない内容で、何度途中で再生を止めてゲームをしようと思ったか。
でも、私アサミヤは無事にこの修行を終えました。ひとつ大人になりました。
アリガトウ、ミルコ・デイビス監督!
以下、まだ修行に入られていない方に内容をお伝えさせていただきたいと思います。
あっ、そうだ、一つ言っときますけど、パッケージに写ってる人間ほとんど出てきません。↓↓↓↓
左端に写ってる黄色い服の黒人さんは確実に出てきますが、それ以外の人、誰?
特に右で「わーきゃー!」って叫んでる男の人、絶対このパッケージの為にちょけて撮ってるやん。
ということをお伝えすれば、なんとなくこの映画の雑さがわかって頂けると思います。
魅力に欠ける、ってか無い登場人物たち
当然なんですが、映画を面白くさせる一つの大きな要素が「登場人物の魅力」ですよね。
たとえB級映画でも、『ワナオトコ』のアーキンや『ゾンビ・スクール』のウェイドのように、記憶に残る愛しいキャラがいれば断然面白さは増しますよね。
でも、この作品に関しては、まっっっっっったくと言って良いほどキャラ立ちしておりません。
主軸となる登場人物が四人います。
黒人でギャングの青年JBと、その妹のチカ、スティーブ・アオキ風ギャング青年タブス、そして彼らが逃亡の道中で出会う女性保安官リンジー。
なんですが、、、JBはリンジーに常に突っかかって無駄に喧嘩になるし、リンジーも行動が行き当たりばったりで意味不明だし、チカは「信じれば助かる」とか言い出すし
誰も愛せない。
ってか全員しねばいいじゃんと思うレベル。
特に、おそらくヒロイン的立場なのであろう、チカって子が、まぁ〜〜〜かわいくない。
仕草とかは可愛げがあるんだけど、ほんとにかわいくない。
もちろんタイプもあるんだろうけどさ・・・。
B級で必ず出てくるセクシー担当では決してないし、おぱい見せる気配も全くなくてがっかりだし、男性諸君にはそういった意味で覚悟して観よと言いたい。
時間返せ♪
支離滅裂なストーリー
主軸となるストーリーは、ゾンビ蜂が蔓延したロサンゼルスから逃げ出したJBたちと道中で出会ってともに旅をする保安官リンジーの命をかけたサバイバル。
ただただそれを見せてくれたら良かったものを、わけのわからない、全然いらないエピソードがちょいちょいカットインして、私たちを随時「ハァ?」と思わせてくれます。
まずオープニングにアフリカを探検する部隊がゾンビ蜂に襲われる姿が映りますが、
あれは誰だったんでしょうか?
えーと、誰でもありませんでした!
(アフリカの部隊はゾンビ蜂に襲われて、あっけなくさようなら。ってか誰やってん)
↓↓↓↓
JBには弟が目の前で保安官に殺されたというトラウマがあるらしく、その映像をちょいちょい挟んできます。
で後半、なんかのきっかけで、実は弟を殺したのは一緒に旅をしてる保安官リンジーその人だ!と確信して、銃を向けるも、なんか、小さい女の子にバーンって打たれて死ぬという、あっけなさ。
(あー説明すんのダルい)
とにかく、フラッシュバックエピソードとかカットバックエピソードとかが、全部、全部いらないんです。どれひとつとして効いてこない。
あと、この小さい女の子、十字架を胸にかけているほど信仰心があるのにも関わらず余裕で人を殺します。
確かにJBはすぐにキレるし悪い方向にしか物事考えないしでイライラする奴だけど、根っこからの悪人ってわけでもないから、彼が死んだところで観てるこっちがさほどスカッとするわけもなく。
どんだけキャラをぞんざいに扱うんだよ、監督!雑だね!
時間返せ♪
やたらと宗教色が強い
ものすごくかわいくないと噂のチカさんですが、かわいくない上に事ある毎に「信じれば助かる」と口にするんですよ。
いや、その信仰心は良いんですけどね。
個人的に信仰している分には良いんだけど、他人に押し付けてる感じの信仰心って腹たつよね。
これもある種、B級あるあるですよね。
「登場人物の行動原理やストーリーの重要な転換点を宗教で片付ける」
これです。
オープニングでもエンディングでもヨハネの黙示録やらダニエル書やらの引用が写し出されるんですが、無宗教の超日本人の私からすると、まぁぶっちゃけよくわかりません。
ていうか、わかったとして、納得できる話なのか!?これは。
JBたちが逃げ込んだ家の住人も信仰心があつい設定なんだけど、なんと、十字架をかけた幼い娘(JBを撃ち殺す子ね)はゾンビ蜂の中にいても狙われなかったという。
えっ、ゾンビ蜂って神を信じるか信じないかで人分けるんですか!
信仰心ある人だけ助かるよっていう設定。
監督はきっと、それを思いついた時点でガッツポーズしてこの映画作ったんでしょう。
あ、あたらしいぃ〜〜・・・・
宗教って、都合いい〜〜〜・・・・
ただし、「そんなバカな!」とツッコんで楽しもうかと思ったら、やたらとシリアスな作りで宗教の話を持ち出すもんだから、「ぐぬぬ・・・」となるばかりでツッコミづらい。
アサイラム作品とかにある、「B級映画は鑑賞しながらみんなで楽しくツッコむもの」っていう、作品の余白こそが一級のB級作品を生み出すと思うんですが、その余裕を持たせてくれません。
宗教色が強い作品とは言いましたが、だったら信仰心がある方はこの映画を理解し受け入れることができるのかというと、絶対違う。
だって一番信仰心の強いチカさんが、なんと、女王蜂なのです。
でで〜〜〜ん
幼い頃に母を交通事故で亡くしてから神を全く信じなくなった保安官リンジーに、「信じれば助かる、神を信じて」と強く諭していたチカ。
そしてゾンビ蜂に家を囲い込まれる絶体絶命の状況もチカ・リンジー・女の子の3人で、手を握り合い、神に祈ることで脱しました。
にも関わらず、突然ニヤけだしてグホーーーっ!と正体を現したチカを見て、私は思いました。
「信仰心ってなんぞ・・・」
監督はあれかな?神を冒涜したいのかな?ん?
まぁ実はこれラストに、「ヨハネの黙示録」の中の
イナゴの大群が 神の印がない者だけを殺す
っていう引用が出てくるので、ただただそれを広げたんでしょうね。
よく思いついたね!!
時間返せ♪
ゾンビには期待しないでね。
最後に言いますが、”ゾンビ蜂”っていうほど、蜂はゾンビじゃない。
ってかCG荒すぎて、蜂の大群もただの煙だし、蜂の姿も全然ゾンビってない。
ゾンビ蜂に刺された人間がゾンビ化するっていう設定なんで、一応ゾンビ人間も出てくるけど、数えれる程しか出てきません。
(ゾンビ化するスティーブ・アオキ風男子)
↓↓↓↓
なんてゾンビ愛が薄い監督なんだ。
予算が少ないから仕方ないんだろうけど、それでももうちょっとだけゾンビに力を入れてもらいたかった・・・。
まとめ
私はB級映画を観ることは一種修行だと言っていますが、これは本当に苦痛でした。
だからこそ、見終わった後の達成感はありますよね(何にも残らないけど)。
同じく修行と思って手当たり次第にB級映画を観ている方、時間を捨てたい方、ただただ蜂を見たい方にはおすすめですが、それ以外の方には全くもっておすすめしません。
宗教色を色濃くした点では新たな着眼点だとは思いますが、その着眼点が生かされてないので期待せずに見ましょう。
そして最後まで観た自分を褒めましょう。
「今日も一つ、良い修行を終えた」と。
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