また出会いたくなる映画 映画「ストレンジャーザンパラダイス」

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35ミリ長篇第1作であり、ジャームッシュ永遠の代表作。84年カンヌ国際映画祭最優秀新人監督賞、ロカルノ国際映画祭グランプリ、全米映画批評家協会賞最優秀作品賞受賞。日本公開時は、ミニシアター・ブームの草分け的作品としてロングランヒットした。ニューヨークでヤクザな暮らしをしているウィリーが、叔母の頼みでハンガリーから渡米し...

94点

 

新作「パターソン」を観る前に是非観ておきたい一作

こんちゃ!アサミヤです。

今回お笑い要素一切無しで行かさせて頂きますよってに。

 

ジム・ジャームッシュ監督の初の長編映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」。

これを今になって鑑賞しまして。

今までなぜ観なかったんだと後悔すらしてしまうほどの一品でした。

 

内容は全く変動のない、ただ移動をし続けるだけのロードムービー的なもの。

取り留めのない会話と、会話すらもないただ人物がそこにいるだけのワンショットが繰り返される。

そのワンショットの間は暗転のように黒い画面が配置され、わざと物語をぶつ切りしているかのよう。
実際ジム・ジャームッシュ監督は物語の枠組みを嫌っており、物語の過程が大事なんだと語っている。

つまり、一つ一つのシーンにあまり大きな意味はない。

ただアウトローに一日一日を生きるストレンジャー(余所者)たちの日常を切り取ったコマが並べられているだけなのだ。

そのコマが最後まで行き着いた時、大きな事件があるわけでもないのに何故か余韻が尾を引いて止まないのです。

それはジム・ジャームッシュ監督自身がストレンジャーであるが故の、優しさに満ちた目線にあるのではないかと思います。

 

出てくる人物がみんな優しい。

普通は喧嘩になりそうな場面も、決して荒事には発展しない。

起承転結といった当たり前のプロットに物語を安易には当てはめないのがジム。
実際の人生がそうであるように。

 

テーマがもしあるのなら「栄光の陰にあるもう一つのアメリカの姿」だと思うんだけど、ジム監督はそれすらも大げさに描かず、ただリアルな若者の怠惰な生活を切り取っているだけ。

恋愛関係に発展しそうな人間関係も淡い想いを漂わすだけで、結実も破綻もしない。

ほんの少しのすれ違いが生じるだけ。

最後のそのすれ違いが、悲しみでもなく可笑しみになっているから不思議。

最初は戸惑った何でもない日常の一コマ一コマも、見終わった瞬間また覗いてみたくなっている。

コマの中で生きている彼らにも、また出会いたい。

 

 

「アメリカンドリームなんてくだらない」と言ってのけるジム監督が作り出したオフビートな世界観にはまったら、きっとこの映画を一生の内に何度も見返すでしょう。

 

私も既に、もう一度観たくてウズウズしてる。

 


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コメント

  1. […] 前回の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のレビューに引き続き、ジム・ジャームッシュ監督の新作のご紹介です。 […]

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