オカルト映画に見せかけた機能不全家族の物語。映画『ロングレッグス』レビューとイラスト※ネタバレなし

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概要・あらすじ・キャスト

概要

ニコラス・ケイジが凶悪なシリアルキラー役を強烈なインパクトで演じ、全米で話題を集めたサスペンススリラー。「イット・フォローズ」のマイカ・モンローがFBI捜査官リー役で主演を務め、「ディープ・インパクト」のブレア・アンダーウッド、「ルール」のアリシア・ウィット、「レッド・ワン」のキーナン・シプカが共演。「呪われし家に咲く一輪の花」のオズグッド・パーキンスが監督・脚本を手がけた。(映画.comより)

あらすじ

1990年代のオレゴン州。FBIの新人捜査官リー・ハーカーは、上司から未解決連続殺人事件の捜査を任される。10の事件に共通しているのは、父親が家族を殺害した末に自殺していること。そしてすべての犯行現場に、暗号を使って記された「ロングレッグス」という署名入りの手紙が残されていた。謎めいた手がかりをもとに、少しずつ事件の真相に近づいていくリーだったが……。(映画.comより)

キャスト

監督:オズグッド・パーキンス

出演:マイカ・モンロー
   ニコラス・ケイジ
   ブレア・アンダーウッド

感想

上映当時から「恐ろしすぎる!」と話題になっていたホラー映画『ロングレッグス』。

個人的に大好きなマイカ・モンローとニコラス・ケイジの共演とあって、めっちゃ観たい!でも徳島でやるはずもないよね!

と諦めて配信で拝見いたしました。

前評判通り、怖い・・・だけど思ってた怖さと違う!!

次々と家族を惨殺するサイコ・キラーを演じたニコラス・ケイジの怖さはあっぱれで、

白塗り特殊メイクが不気味の極み。

マイカ・モンロー主演の『イット・フォローズ』のような、画面の隅々まで意識がとんがりまくるような緊張感も甚だしく。

なんだけど、考察の部分を残しまくった説明不可能な余白が多過ぎて、単純なジャンプスケアホラーとは一線を画す異質なものだったな。

どちらかというと、ジャパニーズホラーに通ずる、精神的に嫌な気配の残るホラーだった。

私が思ったホラーと違うと言ったのは、決して怖くなかったわけではなく、「母と子」というテーマが強く心に残ったからで。

監督であるオズ・パーキンスは、『サイコ』でサイコキラーを演じたアンソニー・パーキンスの息子であり、機能不全に陥った家族との関係が色濃く作品に反映されているらしい。

実際に作中でも、主人公のリーと母との関係性はどうやら歪なもので、何か冷たい壁に隔たれつつも決して切れない複雑な鎖のようなもので縛り付けられている、共依存のような二人として描かれている。

父が不在であり、だからこそ娘を守ろうとするあまりの過度な行為が母親自身を縛り付け、破滅へ向かっていく。

恐怖の対象であるロングレッグスよりも、母の「愛情」が何より怖かった。

私自身も「娘」であり、母との関係は決して良好とは言えないからこそ、ずーーーーんと響いたのです。

家族って大事な存在ではあるけれど、繋がっているのが当たり前ではないし、時として、その繋がりを断ち切る時も必要である、と私は思っている。

『ロングレックス』を観て、きっと監督も同じ思いを抱いているに違いない、と思った。

何か家族に対してトラウマがある人は、この映画、たぶんめちゃめちゃ怖い。

観た後も、ずーーーーーっとニコラス・ケイジが「サタン万歳!!」って真っ白な顔で迫ってくる、そんな悪夢が続くはず。

逆に家族円満な人はちょっと物足りないかもしれない。

そんな人はそんな人で、この作品を観て「あぁ、幸せな家庭でよかった」と胸を撫で下ろすがいいさ(何のマウント)。

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