映画『シャザム!』レビューとイラスト※ネタバレあり

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映画『シャザム!』概要・あらすじ

概要

『シャザム! 』(Shazam!)は、2019年公開のアメリカ製作のスーパーヒーロー映画。DCコミックスのクロスオーバー作品『DCエクステンデッド・ユニバース』の7作目として製作されている。DCコミックスの『シャザム』を主人公としている。(wikipediaより)

あらすじ

身寄りがなく思春期真っただ中の今どきの少年ビリー・バットソン(アッシャー・エンジェル)は、ある日、謎の魔術師の目に留まり、世界の救世主に選ばれる。そして「シャザム!」と唱えるやS=ソロモンの知力、H=ヘラクラスの強さ、A=アトラスのスタミナ、Z=ゼウスのパワー、A=アキレスの勇気、M=マーキューリーの飛行力という6つのパワーを持ち合わせた大人のスーパーヒーローに変身できるように。しかし身体は大人になっても心は少年のままであるため、悪友フレディ(ジャック・ディラン・グレイザー)と一緒になって怪力をそこかしこで試したり稲妻パワーをスマートフォンの充電に使ってみたりと、スーパーパワーをいたずらに使ってしまう。そんな彼の前に魔法の力を狙うDr.シヴァナが出現。さらに7つの大罪というクリーチャーたちが召喚され、フレディがさらわれ、遊んでいる場合ではないことに気づく……。(MovieWalkerより)

監督

監督:デヴィッド・F・サンドバーグ

『シャザム!』感想

79点

こんちゃ!アサミヤです。

今回ご紹介するのはDCコミック原作の『シャザム!』。
勇者として選ばれし少年が「シャザム!」と叫ぶとおっさんヒーローに大変身するという、今までのDCブランドにはないくらいのコメディ感満載のヒーローものです。

海外では「これぞ完璧なヒーローもの!」「アメコミ史上最も笑える!」なんて高評価を得ている今作ですが、日本では「吹き替え問題」が炎上したことで有名になりましたね。
ご存じない方は「シャザム 福田雄一 菅田将暉」とかで検索していただければご理解いただけると思います。

個人的に映画館での鑑賞は字幕版と決めておりますので、その吹き替えがどれだけの出来なのかを評価できる立場ではありませんし、どちらを鑑賞するかは人それぞれですのでまぁいいとして、今回言いたいのはそんなことじゃぁないんです。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』と公開が重なったことで『シャザム!』って大損してるよね。

史上最大の大型連休に公開日を持ってきたかったんだろうとは思いますが・・・

確かに子供向けの雰囲気はあるし娯楽作としてはいい出来ではありますが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』という、えげつないスケールの、映画の歴史の中でもかなり重要な作品となったであろう超大作を鑑賞した直後に見た本作は正直・・・その・・・・

もう少しアベンジャーズ熱が冷めた時期に公開して欲しかったなってのが一番の感想なんですよね。
作中もクリスマス感満載の真冬という設定なもんで、ゴールデンウィーク真っ只の日本人としては乗り切れない部分もあったりしまして。

言ってみれば私は『アベンジャーズ・ショック』の状態で、「一方対するDCさんは何を出してきたのかなぁ〜」的なテンションで鑑賞してしまったわけです。
全然違う、ライトな作品なんだろうということはわかってたはずなんですが・・・
どでかいジューシーなステーキを食べた後に、ポテチ、みたいな。どちらにもそれぞれの良さがあるんですが、やっぱり前者に一発食らわされた後の後者はどうしてもかすみますね。

ただそれは一個人としての受け止め方次第なので、『シャザム!』自体の出来はDCの路線変更としては良い出来だと思いますし、子供と鑑賞したい映画リストに付け加えたくらいに純粋に面白かったです。
それでもツッコミどころというか、大人になった身にはちょっと響かなかった部分もいくつかあるので、いつも通りうがった目線でナナメからレビューしていきたいと思います。

原作は『キャプテン・マーベル』だった!?

レビューに入る前にこれはちょっとした豆知識ですが、実は『シャザム!』は元々フォーセット・コミック社という出版社が出した「キャプテン・マーベル」というヒーローでした。

その最強のヒーロー像がスーパーマンに似ているということでDCコミックから訴えられ、「キャプテン・マーベル」は廃刊。

しかしその後の1970年にDCコミックが「キャプテン・マーベル」を復活させて出版しようとしますが、すでにライバルの「マーベルコミック」が商標登録していたために、「シャザム」という名前に変更されたそうです。

つまり、「MARVEL COMIC」とか、最近ブリー・ラーソン主演で映画が公開された「キャプテン・マーベル」よりもずーっと前に、じつはこの「シャザム」が「キャプテン・マーベル」を名乗っていたわけです。

MARVEL というのは人名とか固有名詞と思っている人も多いかもしれませんが、普通に
「驚異、不思議、驚くべきこと」という意味の英単語です。
「マーベラス(MARVELOUS)」という単語なら知ってる人も多いですよね。

ややこしいことするね!マーベルさんも!

ヒーローものではなくジュブナイル

『シャザム!』のあらすじをざっくりご紹介すると、ある日突然、謎の魔術師からスーパーパワーを引き継いだ14歳のビリーは、「シャザム!」と名前を言うだけでヒーローに変身するように。
それもおっさんの。

↓こんな美少年が・・・

↓こんなおっさんに。

 

唯一正体を知るのは里親のもとで出会った同じ家に住む友人フレディ。
彼と一緒になって軽い気持ちで悪者を退治したりシャザムの力をネット配信したりと、ヒーローの日常とは程遠い日々を過ごすも、ある日ヴィランであるDr.シヴァナが登場しててんやわんやに。

 

↓両親がいないビリーは里親のもとで5人の兄弟(全員が里子)とともに暮らすことに。

↓その中の一人、悪友フレディと能力の一つである電気パワーを使ってやりたい放題。

↓そんな彼らの前に現れるDr.シヴァナ。悪い。見るからに悪い。

 

実はこのDr.シヴァナも幼い頃、ヒーローの素質があるかどうか、上記と同じ魔術師に試されるのですが、純粋な心を持ってないからとヒーロー失格!!みたいなことになったという、なかなかトラウマ級の酷い経験の持ち主。
そのおかげで心が歪んでヴィランになってしまったのですが、なにしとんねん魔術師。
お前のせいやないか。

彼は時を経て魔術師に復讐をし、魔術師が長年封印していた”七つの大罪“という7体のモンスターを解放し、その力を体内に宿すことでスーパーパワーを得て人間界で暴れまわるのです。

ついに本物のヒーローとして戦う日が来たぞシャザム!ふざけてる場合じゃないぞシャザム!
と観客として意気込むものの、「見た目は大人、中身は子供」なシャザムは逃げ回ってばかり。

果たしてヴィランを倒すことができるのか!?

というお話なのですが、これだけの説明だと『キック・アス』的なノリのライトなヒーローものかな?って思いますよね。
私も予告編を観る限りそう思ってました。

しかし実際に観てみると、『キック・アス』ほどの爽快感があるヒーローものではなくどちらかというとジュブナイル(少年の成長物語)もの。

主軸はヒーロー姿のシャザムではなく、少年であるビリーが母と幼い頃に生き別れたことをきっかけに心を閉ざし、里親のもとで出会った兄弟たちと触れ合う中でその心を開いていく成長物語にありました。

血の繋がらない家族が本当の家族になっていく物語は青春ものとしては心温まるものであり、子供と一緒に観るには『アベンジャーズ』シリーズよりもずっとおすすめです。

どこか生ぬるさを感じる

と、おすすめはしましたが、正直日々うがった目線で映画を観ている自分としては手放しで面白いとは言えない部分もあるんです。
この映画を鑑賞する数日前に、MCUの10年の集大成である『アベンジャーズ/エンドゲーム』を鑑賞してしまったこともありますが、そうでなくとも、いささか生ぬるい出来になっていると感じざるをえませんでした。

後半に入ってアクションシーンが増えるのですが、動きは一辺倒で爽快さはあまりなく・・・。

ジュブナイルものだとしてもテンポが遅く、まるで昔のホームコメディドラマ『フルハウス』を観ているようなのっそりした感じ。なんだかもどかしい・・・。

もしもジュブナイルものとして成立させるのなら、もっとアクションをサクッと軽快に、短く切り上げても良かったのでは?

とか、

ヒーローとしての存在を強調するのなら『キック・アス』のビッグダディのような導きの存在を置いてより精神的にも「ヒーロー」として自覚を持ち、強くなっていく姿を描いても良かったのではないか、なんて思っちゃうんですよね。

例えば・・・・

「最強のヒーロー」である「シャザム!」に変身してしまった後は、たとえ相手がDr.シヴァナだろうが「7つの大罪」を冠したモンスターであろうが、それこそワンパンでやっつけてしまうくらいの力があって「で、そんなえげつない力を持ってしまった君はこれからその力をどう使うの? 一体どう生きるの?」というお話にしてしまった方が、新しいヒーロー像や少年の成長を描けたのではないかと思います。

兄弟がヒーローになる瞬間のカタルシス

そのなんとなく生ぬるい展開の中で唯一テンションが上がったのが、5人の里子兄弟たちもビリーと同じく「シャザム!」と唱えることで変身できる力を得た瞬間。

無駄に兄弟たちが付いて回るなぁ。多いなぁ。邪魔だなぁ・・・と思っていたら、そんな展開だったんですね。

余談ですが、主人公と一番長い時間行動を共にするバディ的存在のフレディ。彼の「ヒーロー変身後」を演じているのががアダム・ブロディなんです。

2003年から始まった海外ドラマ『THE OC』でも超オタクなセスを演じていたのが強烈に印象に残っているので、まんまセスが大人になったような,

テンション上がる一幕でした。

↓『THE OC』でゲームに夢中のセス (アダム・ブロディ)(右)

↓いまやアダム・ブロディもアラフォー。

 

本当の家族になりきれないビリーと兄弟たちが、同じくスーパーパワーを手に入れて協力して戦うシーンはぶち上げものでしたよ。

まとめ

なんやかんや言いましたが、純粋に子供目線で観るには面白いホームコメディ要素満載でしたし、最後の最後にビリーが友達連れて来たって言ってとあるヒーローを連れて来た瞬間も思い切り笑いましたし(ぜひ実際に鑑賞してチェックしてみてください)、娯楽作品としては十分評価できる作品でしたよ。

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