ただのリベンジものじゃない!笑って吐ける映画『HELP/復讐島』(2026)レビューとイラスト

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概要

「死霊のはらわた」「スパイダーマン」「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」のサム・ライミ監督が、逃げ場のない無人島という極限状態の中で、人間の狂気と復讐心をあぶり出すスリラー。

リンダを演じるのは「アバウト・タイム 愛おしい時間について」「スポットライト 世紀のスクープ」のレイチェル・マクアダムス。リンダを追い詰めるパワハラ上司ブラッドリー役を、「メイズ・ランナー」シリーズのディラン・オブライエンが務める。音楽は、「スパイダーマン」シリーズなどサム・ライミ作品の常連ダニー・エルフマン。(映画.com

あらすじ

会社員のリンダは、日々パワハラを繰り返す上司ブラッドリーのもとで、息の詰まるような毎日を送っていた。ある日、出張に行くリンダたちを乗せた飛行機が墜落し、目を覚ますと見渡す限りの孤島にいた。生き残ったのは、ブラッドリーとリンダの2人だけ。怪我で身動きの取れないブラッドリーに対し、リンダは持ち前のサバイバルスキルを発揮して状況の立て直しを図り、次第に2人の力関係は逆転していく。それでもなお、傲慢な態度をとり続けるブラッドリーに対し、リンダの中に抑え込まれていた怒りと復讐心が、次第に膨れ上がっていく。(映画.com

キャスト

監督:サム・ライミ

出演:レイチェル・マクアダムス
   ディラン・オブライエン
   エディル・イスマイル

感想

「パワハラ”クソ“上司と無人島で二人きり?」

というキャッチコピーで公開されたサム・ライミ監督最新作、みんな観ましたかーー!?

私は公開終了前ギリギリで劇場に駆け込めたー!と思ったら、何とそうとは知らず吹替版を観てきてしまいました・・・。

意図せずの吹替、開始当初はだいぶ凹んだんですが、逆にすっごく集中できてレイチェルの取り憑かれたような顔芸を思いっっきり楽しめたので結果よかったです。

内容もすんごい面白かった!

サム・ライミ監督の容赦ないグロと血飛沫とゲロも思う存分浴びながら、しっかりしたドラマパートとサバイバルの術まで見れちゃって、見事見事な作品でしたよ!!

クソ上司を演じるのが「メイズランナー」シリーズのディラン・オブライエン、彼の部下となる、数字が得意で仕事上は信頼できるものの、ずれまくったユーモアセンスを振りまいては周りに「えっ??」って空気を凍らせる間の悪いおばさまキャラ、リンダを演じたのがレイチェル・マクアダムス。

このレイチェル、『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』の可愛らしいイメージが強かったんだけど、全編ほぼすっぴん、前半はクリップで髪の毛を雑に挟み、ダルダルのセーターに膝下のスカートという超ダサコーデを見事に着こなし(?)、見事に痛いおばさまキャラになりきっていました。女優魂すげぇ。

クソ上司始め、彼の取り巻きからも疎ましがられ、約束されていた昇進の話も有耶無耶にされ、家に帰っても鳥ちゃんに話しかけるだけの日々。

こんな社会的にも浮きまくった彼女が、無人島で初めていどころを見つけ、クソ上司を服従させるまでになる・・・

でも、ただの復讐劇ではないのが今作の魅力の一つなんです(だから副題の「復讐島」はどうかと思うけど)。

よくあるリベンジものは、性的に搾取された女性が加害者をめっためたに痛めつけたり、加害者を社会的に追い詰めて行っては女性の立場が逆転するものだったり。

これって男性優位な社会の構造を浮き彫にするのがテーマでもあったりする。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』が自分の中では記憶に新しい。

でも、今作はそんなことはない。

前半では上司がクソすぎてリンダに感情移入するのだけど、無人島で優位に立ったリンダが徐々にその本性を現し始める。

あまり詳しく言うとネタバレになってしまうから詳細は伏せるけど、無人島での女王的立場をいかに保持するかに固執している姿を見ていると、彼女は決してかわいそうな被害者には終わらない人なんだな、っていうのがわかってくる。

ちなみにこの無人島での女王的立場を守ろうとする話、『逆転のトライアングル』の中心となる話でもあるから、気になる方はそちらもどうぞ。

決して女性讃歌とか、男性社会へのヘイトにならないのがサム・ライミ監督の素晴らしいところ。

個人的に「女性は搾取されてきた!」系の話は、同性でもちょっと嫌悪感あるからね・・・

だから、上司とリンダの”クソ具合“が拮抗していく流れがいいんです。

絶妙に保たれていたパワーバランスが、最後崩れ去った時、復讐者であったはずのリンダがめっためたにやられる(頭皮ごと髪の毛持っていかれたり・・・)。
女優にそんなことさせていいのか、っていうような痛々しさ!
でもそれが、決して可哀想ではなく、痛快に思えるのが脚本の流れの素晴らしさなのだなぁ。

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こういう無人島ものって、ワンシチュエーションで画的にもあまり変化がないし、結局会話劇になるし、脱出しようとしては失敗しての繰り返しで飽きてきちゃうんですよね。

でも、今作はたった二人っきりで変なクリーチャーも出てこないのに、こんなにも飽きずに見ていられる。

たまに挟まれるリンダの脅威的なサバイバル術が、YouTubeでテンポよく家を立てたり水を集めたりするのを見ているような小気味良さを与えているし、これまた、たまに挟まれる無駄とも思えるほどの血飛沫や大量のゲロに爆笑してしまう。

まじで「何てバランスの取れた作品なんだ!」って感動してしまいました。

さすがだぜ、サム・ライミ。

レイチェルの取り憑かれたような顔面も存分に楽しめるから、ぜひチェックしてほしい!

私は字幕版でもう一回観る!!

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シンプルにリベンジを楽しみたい方に。

コメント

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