面白いけどここが惜しい!! 映画『トレイン・ミッション』 レビューとイラスト

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2018年公開の密室スリラーアクション映画。
キャストは『フライト・ゲーム』や『96時間』シリーズでおなじみリーアム・ニーソンと『死霊館』や『インシディアス』シリーズのパトリック・ウィルソン
ジャウム・コレット=セラ監督は4作目のタッグとなる。

80点
 

あらすじ

10年間勤めてきた保険会社を、60歳で突如リストラされたマイケル。いつもの通勤電車で帰路につき、常連客に挨拶しながらも、頭の中は住宅ローンと息子の学費のことでいっぱいだ。そんな彼の前に見知らぬ女が座り、「乗客の中から、ある重要な荷物を持った人物を捜して欲しい」と持ちかける。ヒントは3つ。常連客ではなく、終着駅で降りる、プリンと名乗る乗客。高額な報酬に抗えず、元警官の経験を生かし捜し始めるが、次から次へと襲いくる罠、深まる謎、さらには、妻と息子が人質に取られたことを知る。やがて、プリンが国家をも揺るがす重大事件の目撃者であることを突き止め、ようやく6人にまで絞り込んだ時、巧妙に仕組まれていた恐るべき陰謀が明かされる。(filmarksより)
監督 ジャウム・コレット=セラ
脚本 バイロン・ウィリンガー フィリップ・デ・ブラシ
出演 リーアム・ニーソン ヴェラ・ファーミガ ジョナサン・バンクス パトリック・ウィルソン サム・ニール エリザベス・マクガヴァン フローレンス・プー ディーン・チャールズ・チャップマン クララ・ラゴ キリアン・スコット レティーシャ・ライト ローラン・モラー

憧れの「試写会ご招待」されたんですよ

こんちゃ!アサミヤです。
今回ご紹介するのは今月末に公開されるリーアム・ニーソン主演のスリラーアクション映画
TRAIN MISSION』です。
 
なぜ公開前にレビューできるのかって!?
んふふふ、それは私がとあるプロモーション会社さんから、憧れの「試写会」にご招待いただいたからです!
なんだろう、この、「認められた感」と「社会に参加している感」。
ありがてぇ・・・ありがてぇ・・・。
試写会といえば叶姉妹!叶姉妹といえば乳を放り出したようなセクハラでしかないドレス!!
どこで売っているんだ!? 作るのか? テーブルクロスとかで?
 
そこでふと、いただいたメールの本文を読み返して気付いたのです。

「あ、東京ね・・・」

 
私は大阪在住。そりゃ新幹線をぶっとばしていけないこともないけど、ウチそこまでリーアムタソのこと好きちゃうし・・・。
というわけで、なんとご親切にもDVDを送っていただきまして、それを拝見して今回のレビューを書かせていただいております。
 
礼儀として今回はネタバレなしで!大事な部分は伏せて、感想を書いていきたいと思います。
まぁ、ググればなんぼでも出てきますわ、ネタバレ・・・。 

映画『トレイン・ミッション』の感想

 恥ずかしながら顔と名前が最近やっと一致しました。

すごい人だったんですね。リーアム兄さん。
いるじゃないですか、めっちゃよく見るけどなぜか印象に残ってなくて名前も特に調べようとしてこなかった俳優さんって。勝手に「よく見る名優さん」の引き出しに入れてそれ以上特にググろうともしなかった人。
私にとってリーアム・ニーソンはその頂点でしたw
今回調べてみてびっくり。めちゃくちゃ主演しまくってる上に有名作に出まくり。
 
あー!あれもリーアム・ニーソンだったのか!!
 
の連続でした。
 
『ダークナイト』シリーズのお師匠さん(渡辺謙の右腕みたいな人)もそうだし。
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『ラブアクチュアリー』の妻を亡くして息子と二人で走り回ってたお父さんもそうだし
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『スター・ウォーズ』シリーズのジェダイ・マスター、クワイ=ガン・ジンもそうだったんですね。
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すげえなリーアム兄さん。
 
どうでもいいですが同じ「めっちゃよく見る名優なのに誰だっけこの人」の引き出しには
最近まで「カート・ラッセル」も入ってました。
「『バック・ドラフト』の人」として・・・。
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映画『フライト・ゲーム』の名タッグ再び

映画『エスター』などで知られるジャウム・コレット=セラ監督とリーアム・ニーソンはとっても仲良し。
本作を含めてこれまでに4作の主演作を制作しています。
中でも有名なのが2014年に公開された『フライト・ゲーム』。
今回の『トレイン・ミッション』はそれの「電車版」って感じでもありました。
 
・めっちゃ生活に疲れてる連邦保安官/元NY市警のリーアム
・飛行機/電車という限定空間
・謎の人物から突然「こういうことをしなはれ。さもないと〜〜でっせ」という命令が来る。
・「え!なに!?うそん!?」と思ってるうちに、機内/車内で人が死んでいく
・いつの間にか自分が「一番やばい奴」になっている
・「なんやねん!もう!やるしかないやんけ!」でリーアム大活躍
 
こういうフォーマットです。同じです。
しかしながら、それでも今回の『トレイン・ミッション』はなかなか見応えがありました。
 

どうやって撮ってんのこれ!?なカメラの動き

電車の中という狭い空間なのに、カメラが壁や座席を乗り越えてグワングワン移動します。
シンプルに「え、どうやって撮ってんの!?」と思わされます。
 
中盤のとある格闘シーンでは、カメラが車外に出たり入ったり、空中を移動したりを繰り返しながらなんと2分以上の長回しをしたりするのだから圧巻です。
 
序盤で「この車内にいる、ある人物を探せ」というミッションを課せられたリーアム。
“どれだけの人数がいて、それがいかに大変か”を観客に一発でわからせるために、電車の端から端までカメラが天井を飛んで車内の全貌を見せるカットがあるのですが、普通に「うぉお」と思わされるスピード感と浮遊感。
CG丸出しなら別にそんなに感激しないのですが、結構生々しい映像でそれをやっているんですね。

電車を作ったんだって

なんとこの電車、巨大なセットを作って撮影されているのだとか。
 
ニューヨークの鉄道での撮影許可は下りなかったので、プロダクションデザイナーのリチャード・ブリッジランドはセットを作った。〜中略〜ブルースクリーンに囲まれた1両と半分の車両を使うことにした。頑丈な壁や窓、扉を作り、本当に走っているように上下左右に動かせるようにし、通路の両側に椅子を配して、車両の内外から撮影できるようにした。その重量は、ほぼ30トンに及んだ。(公式パンフレットより)
 またこの電車セットは組み立て式になっていて、カメラのクレーンが自由に出入りできるようにしているとも。
 
当たり前なんですが、普通に、すごいなぁと、思います。
「こういう映像が撮りたい」が始めからちゃんと明確にあって、そこから逆算して工夫を凝らして、(しかもものすごいお金をかけて)セットを作っているんですね。
 
アサイラムの「こういう撮り方しかできねぇんすよ」っていう逆の作戦も好きですが、 ちゃんと目指す映像があり、それをちゃんと具現化するとやはり説得力のある映像になるなぁと、シンプルに感動しました。
 
そんなセットでリーアム・ニーソンの往年のアクションが縦横に繰り広げられるのですから、その迫力は一見の価値ありですよ!
 

映画『トレイン・ミッション』の「うーん」なところ

 アメリカ人(イギリス人)ってめっちゃ他人と喋るやん

まず、日本人にとって感覚的によくわからないのが、キャラクター同士の距離感。
「いつも顔をあわせる顔なじみの通勤客」程度の登場人物たちが、まるで友人のように普通にベラベラ話します。初めて見る相手でも普通に話しかけるし、身の上話までしちゃいます。
それはアメリカやイギリスでは当たり前のことなのかもしれませんが、私はまずそこで、ちょっとつまづきました。
いちいち「この人は他人?友人?怪しい人?」と距離感を考えてしまって、ストーリーのスピード感に乗り切れないまま後半くらいまで進んでしまった感があります。
 

「謎」が多すぎる

この映画、ものすごい数の「実はこうだった」が仕掛けられています。
で、それが全然解消されないまま一緒に走ります。
 
もういろんなことが気になって気になって・・・・え、これがこうなったらあっちはこうなるんだっけ?あれ?ちがうっけ?これ誰!?
 
まぁ、要するに私の脳みそがついていけず、「アクション」と「メインの謎解き」に集中できなかったのです。
 
どれだけ多くの「謎」が仕掛けられているのかをあげてみます。
 
・「プリン」という重要人物はどいつだ?(中盤までのメインの謎とき)
・車内で誰かに見張られている?
・どこかから情報が漏れている?
・なんで主人公がこんなことをさせられる?
・黒幕って誰?権力者??
・家族が危ないみたいだけどどうなってんの?
・警察にも悪者がいるみたいだけど、どこまで(誰が)悪者?(後半のメイン謎とき)
 
他にもありますが一応ネタバレ回避で伏せておきます。
 

大風呂敷。

とにかく広げまくった大風呂敷。
いろんなことを一気に同時進行させすぎているのではないかと思います。
で、どの謎が解決して、どの謎がまだ残っているのかがよく分からないから、せっかくのアクションシーンももう一つ楽しめない。
なんでそんなに殴り合ってるのかすらあんまりよくわからないんですもの。
 
終盤、とある人物の裏切りが明るみになり、その人物を成敗して話はめでたしめでたしになるのですが、そこもなんかグダグダグダグダ・・・・。
 
えっ!?終わり!?
もういっちょどんでん返しあるやろ!?
・・・・
ないーーーー!!!
 
という感じの終わり方。
 

あそこで終わっとけばよかったのに 

 例えば、ジェイソンステイサムの『トランスポーター』とか、ヴィン・ディーゼルの『ワイルドスピード』とかって、一番お金をかけた、めちゃくちゃに状況が壊れるド派手なシーンで、同時に敵をぶっ殺して終わりますよね。ドカーーーン!うわぁ〜〜〜!!!っつって。
 
すべての謎や因縁が一気に霧散し、映像的にもそれが一番カタルシスがあって、アクション映画としての最高の見どころだと思うのです。
 
この映画でも後半、ものすごいド派手な大爆発シーンがあります。
でもそれは成り行き上そうなっただけで、謎が解けるのはその後、電車が止まった後にダラダラダラダラ・・・。
裏切り者もなんか、パスーーンって感じで死んで終わり。
 
さっきまでリーアムニーソンを敵視してた人物も、なんか「すまんかった」的なこと言い出すし、結局家族も全然無事やし、ご都合主義な感じが拭えません。 
ほんで黒幕ってなんやってん、という疑問も残ったまま。
 
中途半端なご都合主義を使うならば、もっとエンタメなご都合主義でやっちゃって欲しかったな、と思います。
あの、大爆発のシーンの前に裏切り者を電車に乗せといて、猛スピードで動く電車の中で格闘アクションして、大爆発とともに悪役をドカーーーンとやっつけて、ほんで疲れ切ったリーアム・ニーソンのところに解放された家族が駆け寄ってきて終わり、でよかったんではないかなと、考えてしまいます。

まとめ 

あ、面白かったですよ!
面白かったんですが盛り込みすぎ、ややこしくしすぎで、勿体無いな、と思いました。
狭い空間での工夫を凝らしたアクションシーンや、ものすごくかっこいいカメラワークが楽しみきれないところがありました。
 
ひょっとしたら、家でDVDで見たから余計なことにとらわれすぎたのかもしれませんね。
劇場で見たらもっと単純にド迫力の映像を楽しめたのかもしれません!!
 

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コメント

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