笑って笑ってソーに恋して! 映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』レビューとイラスト※ネタバレあり

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『マイティ・ソー バトルロイヤル』概要・あらすじ

概要

『アベンジャーズ』の一員であるソーを、クリス・ヘムズワースが演じたアクションシリーズの第3弾。ソーのハンマーを破壊するほどの力を持つ敵が登場し、宇宙の果ての星でとらわれの身となったソーが戦う姿を活写する。クリスやロキ役のトム・ヒドルストンに加え、ヘラ役で『ブルージャスミン』などのケイト・ブランシェットが出演。『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』などのタイカ・ワイティティが監督を務める。(Yahoo!映画より)

あらすじ

アベンジャーズのメンバーであるソー(クリス・ヘムズワース)の前に、邪悪な敵ヘラ(ケイト・ブランシェット)が出現する。ヘラはソーの武器ムジョルニアを破壊し、ソーを宇宙の果てへと飛ばしてしまう。とらわれの身となったソーは、脱出を懸けてチャンピオンと対決することになり、彼の前に現れたのは……。(Yahoo!映画より)

『マイティ・ソー バトルロイヤル』感想

『マイティ・ソー バトルロイヤル』概要・あらすじ

概要

あらすじ

アベンジャーズの一員ソーの前に<死の女神・ヘラ>が現れた。

復讐と野望に燃えるヘラは、ソーの故郷へ攻撃をはじめる。故郷を奪われたソーは、この最強の敵を倒すため盟友ハルク、宿敵ロキらと型破りのチーム“リベンジャーズ”を組み極限バトルに挑む。 果たして、ソーたちは史上最強の敵からこの世界を守ることができるのか?

死の女神・ヘラの復讐の目的は!?そこには、ソーの運命を変える秘密が隠されていたー。

88点

こんちゃ!アサミヤです。

今回ご紹介する映画は現在公開中の『マイティ・ソー バトルロイヤル』。

 
これ、原題は『バトルロイヤル』ではなく、『ラグナロク』なんですよねー。

ラグナロクの意味は北欧神話の中で終末を意味する言葉。

予告にもある通り、今回の『マイティ・ソー』では、ソーの相方である最強の武器ムジョルニアが破壊されちゃうという絶望的な展開が待っている。

ソーってそもそもなんの能力があるの?

ずばりハンマー使いだろ!

それがなきゃどう戦うんだい!

と予告観るだけで胃が痛いよ・・・。

ソーの故郷であるアスガルドだって侵略されちゃうし・・・。

絶対『バトルロイヤル』じゃなくて『ラグナロク』の方がいいじゃん!

なんでも日本人に耳馴染みのある言葉をチョイスしたそうですが、映画の内容無視してんじゃないよ!

というお怒りはこれくらいにしまして。

 

率直に面白かったですよ!

今までのシリーズガン無視したアッパーなテンションが逆に気持ち良い!

一言で言うと「コメディSFアクション映画」かな。

詳しくはこれからポイントでご紹介するね!

ソーのギャグ炸裂!

ソーは神話の世界での雷神様。

序盤にも話したムジョルニアを持てるのはそもそも高潔な選ばれた人間のみということも踏まえると、とても位の高いお方だということがおわかりでしょう(まぁそりゃ神様だからね)。
そんな高貴なお方ではありますが、力を持ちすぎた故の横柄な態度から父に見放されて地球に追放されたという若気の至りキャラを通過し、改心してマイティ(偉大な)ソーになったという成長物語(?)が描かれてきたわけですが、その中で彼は決しておどけるようなキャラじゃなかったのね。

望まずして降り立った地球界で人間として生活しなければならない神というアンバランスな設定の笑いはあったものの、決してソー自体が笑いの対象にあったわけではなく。

それが一変して、『マイティ・ソー バトルロイヤル』では自ら笑いを取りに行ってるだろ!と突っ込んじゃうくらいノリノリなお笑いキャラを演じてる。

このギャップ、どうしたんだよ・・・と最初は違和感感じるかも。

今までの監督と変わって今作を担当したのは『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』で注目されたタイカ・ワイティティ監督。

『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』観られました?

そのタイトル通り、普通の人間がヴァンパイアたちが暮らす家でシェアハウスしちゃうっていう話なんだけど、結構ナンセンスな笑いに富んでるのね。

ほっぺの赤い童貞青年(人間)がなぜか周りの人に(ヴァンパイアに?)好かれて血を吸われずシェアハウスで呑気に暮らしている光景とか、見た目40代だけど379歳のヴァンパイア・ヴィゴアの彼女(人間)がめっちゃ老婆だけど年下っていう、ちょっとシニカルな笑いが散りばめられている(観てから時間経ってるので雰囲気で書いてます。すんません)。

もともとコメディアンもしてる監督だから、笑いのセンスはあるのかしら。

なんでも今作では約8割がアドリブなんだとか!

それは投げやりな演出なわけではなく、役者を信頼しながらも自由に演じられる環境を丁寧に作った彼の手腕があって実現できたこと。

今回ソーがとってもコミカルなんだけど、それはクリス・ヘムズワース自身がコミカルなキャラクターだから出来上がったんだなと、8割がアドリブだと知って納得しました。

 

そんなコメディ色の強いソーを一言で表すなら、字多丸師匠の『ナイスガイズ 』評であった言葉をお借りして「安い笑いを取りに行ってるw」かな。

これ、ライアン・ゴズリングに対して放たれた言葉なんですがね、ソー演じるクリス・ヘムズワースにもぴったりのお言葉。

よくアメリカ映画とか観てても、「今なんで笑ってんの?」って思うことないです?

言葉の壁もあるけど、笑いのツボが決定的に違う。

それが『マイティ・ソー バトルロイヤル』の笑いは、日本人でもすっごくわかりやすい!

まるでドリフ見てんじゃないかと思うくらい。

例えばオープニングでのシーン。

炎の巨人スルトに囚われたソーが天井から吊るされた鎖に繋がれている。

スルトは炎に包まれて恐ろしい姿をしているし、「おまえの故郷アスガルトをぶっつぶす!」と脅してくる真面目なシーンなのに、繋がれた鎖がクルクル回って「あっ、ちょっと待って、そっち向くから」とちょけるソーに、「クスッ」どころか「うはは」と笑い声あげちゃう。

この時点で「あっ、今回このテイストで行くのね」と力が抜けてお笑いオッケー体制になる。

あと、バスケットボールで窓を叩き割って逃走しようとするも、バスケットボールがそのまま弾き返ってきてソーにもろぶつかりとか。

今時のお笑い番組でも中々観ねぇぞと思うくらいの鉄板な笑いが盛り込まれています。

 
今までのシリアス寄りな『マイティ・ソー』シリーズとは違う、ということを心して観て頂いた方が良いかな・・・いや、何も考えず軽い気持ちで観て下さいな!

 

あっ、そうだ!

今まで長髪がチャームポイントだったソー兄さんの髪がスタン・リー演じる散髪師によって無理やり短髪にさせられてます!

予告観てた時は「やっぱソー兄さんは長髪やで!」って思ってたけど、実際スクリーンで観ると爽やかでかっちょいいー!

髪型を変えることでこれまでのシリアスな”ザ・神”キャラから、コミカルなお調子者キャラのイメージもつきやすくなってます。

意外な方が出てらっしゃいます

・マット・デイモンが・・・えっ、そんな役!?

炎の巨人スルトを倒して故郷のアスガルトに戻ったソー。

そこで彼が目にしたのは、父が開いたのんきな演劇・・・ある人物がソー役とロキ役に扮して実際に起きた出来事を演じてるのです。

ソー役にはクリス・ヘムズワースの兄ルーク・ヘムズワースが演じてるんだけど、ロキ役にはなんと・・・・

マット・デイモンが!

白い肌に漆黒のオールバックヘアー。

最初観たときは「ん??なんか観たことある・・・」って感じだったんだけど。

マット・デイモンって気付いたら笑いこらえるの必死だったわ。

 

このちょい役はクリス・ヘムズワースとの友好関係から実現したらしいんだけど、マット・デイモンの姿を観ただけで儲けもんって感じ!

『ジュラシック・パーク』のコンビが出てるよ!!

そしてその劇に出てくるのがもうお二人・・・実際のソーとロキの父を演じたのがアンソニー・ホプキンスですが、演劇中で父を演じたのは『ジュラシック・パーク』のサム・ニール

そんでもってソーが飛ばされる惑星、サカールの統治者を演じるのがジェフ・ゴールドブラム

出ましたねー、『ジュラシック・パーク』コンビ。

ビンゴ世代として、ちょっとテンション上がっちゃった。

久しぶりのハルクの活躍!

『エイジ・オブ・ウルトロン』以降、姿を消していたハルク。

今回、ソーとロキがたどり着いた惑星サカールで、競技場のチャンピオンとして君臨していたのが超人ハルク。

元々はバナー博士が怒りによってハルクに変身し、誰ともコミュニケーションできないほど暴れまわっている暴君キャラでしたが、

なんと今回のハルクは普通にしゃべれる(片言だけど)。

おまけにのんびりお風呂に浸かったりして。

物静かで思慮深いバナー博士の一面が垣間見えたります。

ソーとベッドに腰掛けて話している姿を見ると、ただただ怒りに身を任せて破壊しまくってきたハルクとは別人のよう。

 

ソーがキャラ変換したのと同じく、ハルクも明らかに怒りとは違う思考を持ち、また、バナー博士に戻ってからも今までとは違ったコミカルな表情を見せています。

 

そんなコミカルな雰囲気の中でちょっと泣けたのは、ハルクがバナー博士に戻る瞬間。

クウェンジット(宇宙船)のモニター画面に映ったブラック・ウィドウを観て、2年間もハルクでいた彼がバナー博士に戻るのです。

愛の力ですか・・・。

『エイジ・オブ・ウルトロン』以降進展のなかった二人の行方も気になりますねー。

SFの世界に神がいる・・・ごっちゃの世界観

ソーが姉のヘラとの戦いの末、飛ばされた惑星がサカール。

そこはゴミ処理場と化した辺境の地。

まるで『AKIRA』に出てきそうな雑多なゴミ処理場なんだけど、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のように空飛ぶ車やゴミ処理マシーンが飛び回り様々な人種が入り混じるカラフルでスペースオペラな世界観。

ポップなサイバーパンクって感じ?

それが良い意味で安っぽいw

ソーの故郷であるアスガルトのバリバリの神話な世界から、一変してSFテイストが盛り込まれる世界観は、滑稽さも感じるくらいライトな設定。

ですが、本来なら故郷をなくし相方である最強の武器ムジョルニアまでもをなくすというソーにとって絶望的で重々しくならざるを得ない展開を、ここまで安っぽいギャグが似合う世界観に放り込んだことでちょうど良い塩梅になってるのね。

ソーやハルクの今までにない面白キャラもとっても生き生きして見える!

まとめ

正直今までの『マイティ・ソー』シリーズってあまり好きじゃなかったんですよね。

『アイアンマン』のようなカリスマ性があるわけでもなく、『スパイダーマン』のような身のこなしを生かしたアクションシーンがあるわけでもなく・・・。

神が主演とあればド派手な戦いが展開するはずなのに、なーんか特徴がなくてとっても地味なイメージ。

そりゃハンマーがなきゃ空も飛べないし大地も揺るがせないとなりゃ、ちょっと滑稽な神かも・・・。

それが、今回は序盤にハンマーを壊されたせいで能力がなくなったと思いきや、「ハンマーはお前の能力を抑えるものだ」なんて父に告げられてド派手に雷を操る神にパワーアップしちゃうんだから、「これだよこれ!これからあんたの時代だよ!」と長い下積み時代を経てやっと開花した演歌歌手を追っかける母のような気持ちになっちゃったよね(あっ、実際わたしの母はそんなことしませんけど)。

今回の『マイティ・ソー バトルロイヤル』は今後の新生アベンジャーズへの序章とあって、これからのマーベルとしてのあり方を提示する作品でもある。

ライバル社DCで言うと、ダークナイトシリーズのヒース・レジャー版ジョーカーからの、ポップなノリのジャレッド・レト版ジョーカーへの転換は正直成功とは言えないなと。

しかし、同じ主演でありながらのソーのキャラ転換は見事に成功しているのではないでしょうか。

 

ギャグ満載だけど、ソー兄さんやハルクの成長がしっかり描かれていて、今後のアベンジャーズへの期待が高まるめっちゃ良作でした!

ぜひ、映画館で爆笑してください!

『マイティ・ソー バトルロイヤル』を観る前に、こちらをチェック!

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★ブラック・ウィドウがなぜそれほどハルクの心を動かすのか・・・?こちらを観て予習だ!

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